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「令和6年の年賀状」団塊の世代の物語(8)

Japan In-depth / 2024年9月10日 21時0分

英子はその場で座り直すように腰を動かすと、





「ちょっと待って。私は美人?」





「一般的に、それとも僕にとって?」





「どちらとも答えて」





「厳しいね。





お答えします。





一般的にいって美人だ。とっても。昔も今も。そして、僕にとっては美人であるよりももっと大事な部分でつながっている。そして、つながりたい」





三津野がそういうと、英子はベッド脇のコントロールパネルを摘みあげて、ルームライトを消し、さらにベッド灯も消した。部屋はほとんど真っ暗になった。





しばらく二人とも声を出さない。





「来て、触って。そして掴んで」





英子は一気に言った。





ベッドのなかでもう衣服は脱ぎ捨てている様子だ。大きなダブルの白いシーツのかかった毛布のしたに隠れている。さっきまで来ていた服はいつの間にはきちんとたたまれて、長いソファにとそろえてかけられている。もちろん下着は上からみえないようになっていた。一番上にはセーターが二つ折りに広く折られて、カバーになっていた。





三津野は「わかった」とだけ言って、ベッドの脇でネクタイを取り去りワイシャツを脱いだ。靴を脱ぐと、あとはズボンをゆっくりと下げ、折り目にそって壁の向こうにあるハンガーにかけ、ベッドの脇にある肘掛け椅子に軽く腰をおろすと、もうパンツ一つの裸に両脚ハイソックスだけという間の抜けた格好だった。椅子に座ったままハイソックスを脱ぐといつもの習慣でひじ掛けに垂れ下がるように左右そろえて置いた。





英子が大きなシーツの下の毛布を少しめくって、隣にくるように促す。





三津野はパンツだけを履いた姿でベッドとシーツの間に滑り込んだ。この7年間にわたって鍛えた太腿とお尻が、我ながらほれぼれするほどたくましい。





英子の両腕が三津野の上半身を絡めとった。





<昔なら、もう勃起していたのだが>





要らざる思いを抱いた。





英子がからめとったまま、三津野のパンツをはぎ取るとその上に全身でのしかかった。





英子の大きな乳房が三津野の胸の上に広がる。





<ああ、あの大きな乳輪が自分の皮膚に貼りついている>





三津野は、あのことを思いだし、脳のなかで感じていた。





こんなことがあったと大木に聞いていたのだ。





「小学校のときのこと、僕たちのクラスで身体検査があって、男女が一つ部屋のなかで高い間仕切りで仕切られて別々に分けられていたんです。どちらも上半身は検査のために裸だった。





すると、どういうわけか、女の子たちがその高い仕切り越しに、われわれ男子の方を上から覗いた。なぜかわかりません。





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