カーター大統領への追悼 その光と影
Japan In-depth / 2025年1月8日 13時27分
こうした対外、国内両面での失態がカーター氏に史上最悪の大統領というレッテルを与えるほどになったのである。と同時にカーター氏が推進したリベラリズム、とくに主敵のソ連への軟弱な態度がソ連の世界各地での勢力拡大を招いたという非難が定着してしまった。そして1980年の大統領選挙ではカーター氏は現職ながら、共和党保守派のロナルド・レーガン氏に大敗したのだった。
アメリカ国内の長年のリベラリズムと保守の競合でも、カーター政権まではリベラリズムが議会での多数派であり、国政の政治基調もリベラル側の主導が明確だった。その長年の構図がカーター政権によって崩れたといえる。いわばリベラリズムの破綻をカーター大統領が招いたとされたのだった。以降、保守主義は多数派といえる地位を続けることとなる。
だが皮肉なことにカーター氏は大統領退任後、活発な動きをみせることとなる。その後の40年ほども元大統領として内政や外交に寄与してノーベル平和賞までも受賞したのだ。「最高の元大統領」と称賛されることにもなったのである。
トップ写真)ジミー・カーター米大統領(1970年代)
出典)Hulton Archive/Getty Images
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