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トルコと湾岸協力会議(GCC)、自由貿易協定(FTA)に向けた交渉開始(トルコ、湾岸協力会議(GCC))

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月25日 13時0分

トルコのオメル・ボラト貿易相と湾岸協力会議(GCC)のジャセム・モハメド・アール・ブダイウィ事務総長は3月21日、トルコの首都アンカラで自由貿易協定(FTA)の交渉開始で調印した。トルコとGCC加盟6カ国とのFTAは、2兆4,000億ドル規模となる世界最大の自由貿易地域の1つを創設するものとしている(「ロイター」3月21日)。

トルコのボラト貿易相は、X(旧Twitter)で、このFTAにより商品とサービスの貿易が自由化され、投資と貿易が促進されると発表した。また、アール・ブダイウィ事務総長は、FTA交渉の開始はGCC諸国とトルコの間での強固で戦略的なパートナーシップを示していると述べた(「アラビアン・ガルフ・ビジネス・インサイト」3月22日)。

トルコと湾岸諸国は、カタールおよびムスリム同胞団に対する姿勢を巡り対立してきたが、2023年5月にレジェップ・タッイプ・エルドアン大統領が再選されてからは、GCC諸国との数十億ドル相当のビジネス協定の締結や、アラブ首長国連邦(UAE)との包括的経済連携協定の発効(2023年6月21日記事参照)など、関係を強化させている。また、脱石油を目指すGCC諸国も、経済の多角化に向けて、トルコに地元産業の発展と技術移転での支援を求めている(「デイリー・サバフ」3月21日)。

ボラト貿易相は、トルコとGCC加盟国の貿易額が、2002年の21億ドルから2022年に227億ドル、2023年には314億ドルまで増加したとし、トルコの請負業者はこれまでにGCC加盟国で856件、775億ドル相当のプロジェクトを実施していると述べた(「デイリー・ニュース」3月22日)。

一方で、トルコの元外交官で米国シンクタンクのカーネギー国際平和財団のシナン・ウルゲン上級研究員は、EUとGCCがFTAで合意しない限り、トルコがGCCとFTAを締結し、発効させることはできないと指摘した(「アル・モニター」3月21日)。トルコはEUと関税同盟を結んでおり、その加盟条件として第三国でEUがFTA未締結の国と単独でFTAを締結することができないからだ。EUとGCCの間のFTA交渉は1990年に始まったが、2008年に中断されている。

(注)湾岸協力会議(GCC)加盟国は、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、カタール、クウェート、バーレーン、オマーンの6カ国

(ディラ・イェネル)

(トルコ、湾岸協力会議(GCC))

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