米連邦通信委、衛星とスマホ間の通信に関する規制枠組みを承認(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月26日 2時15分
米国連邦通信委員会(FCC)は3月14日、衛星通信事業者が地上携帯電話事業者の電波を利用して、衛星とスマートフォンの接続サービスを提供する「宇宙からの補足適用範囲(SCS)」の規制枠組み創設に関する最終規則を承認した。
本規則の承認による規制枠組みの導入で、これまで地上の無線サービスプロバイダのみに使用権のあった周波数を衛星通信事業者が用いることが可能となり、衛星とスマートフォンの直接通信が可能となる。
スマートフォンと衛星の直接通信は以前より始まっており、米国アップルは最新のアイフォーンに関して、2022年後半から緊急サービス限定で、米国衛星企業グローバルスターの衛星の周波数帯を利用している。また、米国航空宇宙企業スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX、本社:カリフォルニア州ホーソン)は2024年2月26日、公式X(旧Twitter)アカウントで、「この投稿は、宇宙にあるスペースX社の衛星を通じて送信された」という投稿を行っている。
本件に関し、FCC委員長のジェシカ・ローゼンウォーセル氏は「この決定で、私たちは衛星通信とワイヤレス通信を統合する。この2つが一緒になれば、デッドゾーンをなくすことができる。つまり、災害が起きて地上のシステムが破壊されても、宇宙のバックアップを利用できる」としている。
ただし同日、FCCは敵対国が管理している衛星からの信号を、米国内の携帯電話がどの程度使用しているか、また、国家安全保障上問題がないか調査していると明らかにしている(政治専門紙「ポリティコ」3月14日)。FCCはスマートフォンを含む米国の測位衛星の「GPS」に依拠する技術に対し、EUの「ガリレオ」のみに通信許可を与えている。しかし、精度向上のため、敵対国である中国の測位衛星の「北斗」やロシアの「グロナス」の信号をも利用する場合、通信機器メーカーはFCCに許可申請を要する。
本件に関し、連邦議会下院の「米国と中国共産党間の戦略的競争に関する特別委員会(中国特別委員会)」のマイク・ギャラガー委員長(共和党、ウィスコンシン州)は、ローゼンウォーセル委員長に書簡を送り、3月30日までの回答を求めている。
(谷本皓哉)
(米国)
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