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シンガポールでアジア有数の映像見本市ATF開催、日本のコンテンツを訴求(シンガポール、日本)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年3月15日 0時30分

アジア有数の映像見本市「アジアテレビフォーラム&マーケット(ATF)」が2023年12月5~8日、シンガポールで開催された(事後ヒアリングを2月26日に実施)。総来場者数は55カ国・地域からの4,511人で、主催したRXシンガポールは、今回のATFをきっかけに取引総額は推定2億4,370万米ドルに上るとした。

日本のほか、韓国や中国、台湾、インド、トルコ、フランスなどがナショナルパビリオンを設けた。日本は総務省と国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会がジャパンパビリオンを運営し、テレビ局や映像制作会社など23社が出展した。ジェトロも、コンテンツ分野の日本企業の海外展開支援の一環として「Japan Street」(注1)の広報を目的としたブースを設置した。国際ドラマフェスティバルin TOKYO実行委員会は「ATFの登録バイヤー数が前年よりも減少した中で、出展社の半数以上が前年と同程度かそれ以上の商談数を確保できた」と述べた。

写真 ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオン(ジェトロ撮影)

日本の放送コンテンツの海外輸出額は右肩上がりで増加している。総務省の発表によると、2021年度の放送コンテンツ海外輸出額は前年度比1.15倍の655億6,000万円だった。中でも好調なのはアニメだ。日本動画協会の「アニメ産業レポート2023」によると、商品化やライブエンターテインメントの市場も含めたアニメ産業市場全体の市場規模は2022年に2兆9,277億円と史上最高額を更新し、そのうち49.8%は海外市場での売り上げだ。

ATFの2日目には、放送コンテンツ海外展開促進機構(BEAJ)と総務省が日本のドラマをプロモーションするイベント「Drama Gems From Japan」を開催し、NHKと民放各局のドラマ10作品を海外バイヤーに紹介した。BEAJ担当者は「ドラマは、完成パッケージ番組の販売(注2)に加えて、リメーク権の販売(注3)もできるなど、特にアジア地域では成約につながる取引形態が幅広いという特徴があり、今回のATFではドラマのプロモーションイベントを行うことに決めた。ドラマにターゲットを絞ったことで、他国のイベントとの差別化ができ、集客につながった」と述べた。欧州では日本と文化的な違いが大きいため、ドラマの場合はリメーク権の販売が主流となっている。

写真 「Drama Gems From Japan」の様子(ジェトロ撮影)

「Drama Gems From Japan」の様子(ジェトロ撮影)

次回のATFは2024年12月3日から6日にかけて、シンガポールで開催される予定だ。

(注1)海外のバイヤーやディストリビューターとの商談・取引機会の創出を目的に、コンテンツ作品を含む日本の企業・商品情報を掲載したオンラインカタログサイト。ジェトロが招待したバイヤーのみが閲覧可能。

(注2)日本で制作された番組を必要に応じて翻訳(字幕や吹き替え)などによって販売先の国に対応(ローカライズ)させ、「完成パッケージ(完パケ)」として番組放送権を販売すること。

(注3)バラエティーのフォーマット販売と同じで、既に完成した番組の販売ではなく、ドラマなどの舞台設定や登場人物などの構成要素を取り出して、リメーク権として販売すること。それに基づいて海外の放送局・制作会社は現地の出演者やスタッフを活用して番組を制作・放送する。

(小柴里沙)

(シンガポール、日本)

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