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企業の生産性向上のためには従業員に焦点を当てるべき理由

JIJICO / 2019年9月20日 7時30分

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企業の生産性向上のためには従業員に焦点を当てるべき理由

生産性向上につながる従業員体験とは何か?

従業員体験とは、従業員が働くことを通じて得られる体験のことです。お客様を自社の商品やサービスに惹きつけ収益を上げる。このために、お客様志向で顧客体験を大切に考えている企業は多いと思います。一方自社の従業員についてはどうですか?海外の事例では、顧客体験に加えて従業員体験を向上している企業は生産性が向上しているそうです。優秀な人を惹き付けたい、働き続けて欲しい、生産性を上げたい、そのために従業員体験を向上すべく努力しているそうです。

従業員体験を向上させるためには、より従業員間のコミュニケーション(意思疎通して相互に作用し合うこと)に焦点を当てることが大切だと言われています。リーダーとの間、先輩との間、後輩との間、チームメンバーとの間、など職場でのコミュニケーションです。良好なコミュニケーションは従業員の働きがい向上に寄与します。

なお、似た言葉に従業員エンゲージメントがあります。ウィキペディアによれば、従業員エンゲージメントは1990年代に管理理論の概念として登場し、今日では従業員体験と同義語になったとあります。本稿では従業員体験という言葉を使います。

従業員体験向上に役立つ類人猿性格分類

エブリイという企業をご存知でしょうか?広島県を中心に、スーパーマーケットを中核とした事業を行なっている企業です。2018年6月期の決算報告まで18期連続で増収している優良企業です。

エブリイでは、オランウータン、ゴリラ、チンパンジー、ボノボと、従業員を大型類人猿4タイプに分類。仕事の割り振り、チームの活性化、採用や人事異動に、この類人猿性格分類を活用しているそうです。自分を知って磨きをかけることで人間力をアップさせ、相手を知って理解することにより仲間をつくり、イキイキと働く店舗づくりに成功したそうです。4つのタイプが1つの森に住んで個性を活かし合えるのが人間の社会と考えているそうです。

エブリイでは、4つのタイプの大型類人猿について、下のように分類しています。
•オランウータンタイプ:職人気質のこだわり屋
長所:論理的思考、1つのことを極める集中力
短所:理屈っぽい、感情を出さない

•ゴリラタイプ:平和主義の安定志向
長所:準備力、ルーチンワーク、縁の下の力持ち
短所:自己主張しない

•チンパンジータイプ:勝ち負け重視の積極派
長所:新規開拓、社交性
短所:攻撃的、飽き性

•ボノボタイプ:空気が読める話好き
長所:思いやり能力
短所:感情的な判断、依存的

「類人猿分類公式マニュアル2.0 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ」という書籍に、次のようなコミュニケーション例が載っています。

チンパンジー店長:(ワナワナしながら)ボノちゃん、ここはプロの仕事場なんだ!「みんな仲良く」なんてなまやさしい!とにかく人を蹴落としてでもNO.1になるんだ。

ボノボ従業員:この人の元では働けないわ!

類人猿性格分類を実践し、お互いの長所短所を理解すると、次のようなコミュニケーションに変わるといいます。

チンパンジー店長:(ニコニコしながら)ボノちゃん、センスのいいPOPを作ってくれてありがとう。お客様の心にヒットするいいキャッチコピーだったよ!さすがボノちゃん!

ボノボ従業員:このお店で仕事ができて嬉しいわ!
従業員体験の向上に役立つと思います。どうですか?あなたは何タイプでしょうか?

従業員体験を向上させるためのファシリテーション活用法

ファシリテーションとは下の3点を特徴とする行為です。
•人々の活動が容易にできるよう支援し、うまく運ぶように舵取りすること
•集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知的創造活動を支援し促進していく働き
•中立な立場で、チームのプロセスを管理し、チームワークを引き出し、チームの成果が最大となるように支援すること

ファシリテーションが活用された会議では、否定されない安心信頼できる場で議論が行われます。「否定されない安心信頼できる場」を作るためのツールとして、類人猿性格分類を使ってみたらどうでしょう?ファシリテーターだけでなく、会議の参加者も類人猿性格分類を習得していると、より良いと思います。

従業員が会議の場での合意形成を通じて、充実感を体験できるはずです。従業員の働きがいが向上します。そして、従業員体験が向上します。このことは生産性向上に寄与することが期待できます。

類人猿性格分類の活用も、ファシリテーションへの適用も、理解したらすぐに効果が出るというようなものではありません。自分たちなりに消化吸収し、自社に適用して効果を出す努力を継続することが肝心です。

(小川芳夫/ファシリテーター)

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