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【横浜FC】福森晃斗、男泣き「ヨモさんのほっとした顔見られて良かった」

カナロコ by 神奈川新聞 / 2024年11月10日 21時40分

安堵の表情を浮かべる横浜FCの四方田監督(左)と福森=みらスタ

◆横浜FC0-0山口

 男泣きだった。「ホイッスルが鳴った瞬間、緊張の糸が切れた。横浜FCに関わる皆さん、おめでとうございますと」。重圧をはねのけ、福森晃斗(31)は全てを出し尽くした。

 長崎の途中経過は耳に入っていたという。「それでさらに緊張感が増した。失点は絶対にできないと思っていた」。計り知れない重圧を抱え、戦い抜いた。

 「涙腺が弱くなってきた」と照れ笑い。ただ、まごうことなき昇格の功労者である。「悪魔の左足」はJ2を席巻し、14アシストはリーグトップ。正確無比なキックで魂を揺さぶった。

 今季、札幌から期限付き移籍で加入。目に見える結果を求めに来た。新体制発表でファンの少年に求められたのは10得点。心優しき悪魔はもちろん忘れていない。「10点は限りなく不可能だけど、アシストで10個以上できているから許してくれるかな」。自らの価値を証明するにあまりある働きだった。

 札幌で名をはせるもここ数年は納得のいく結果を残せていなかった。昨季は29試合の出場にとどまった。「キックの感覚を取り戻したい」とも言っていた。今季は38試合を完走。終盤には足をつるシーンを何度も見せた。飽かず走り、蹴り続けてこれたのは伝説のレフティーの存在なくして語れない。

 秋晴れのある日、福森は訥々(とつとつ)と語っていた。「やっぱり俊輔さんがいるし、一つ二つのアドバイスでだいぶ考えが変わる」。桐光学園高の先輩である中村コーチと練習中も、試合中も二人で言葉を交わすシーンは珍しいことではない。

 「バリエーションは増えたと思うし、後半戦はミスが多いと感じるけど、要所ではしっかり蹴れている。去年の札幌の時よりもいいキックができている」

 兄の後を追ってボールを蹴り始めた幼少期。父にフォームをたたき込まれた。土台を支える反復練習。「10回のうち1、2回いいキックができただけではだめ。それが5回以上、できないと。毎回ボールが当たる場所は違うから」。培った太い幹はレジェンドとの日々で豊かな葉を広げた。

 「優勝してヨモさん(四方田監督)を胴上げしたい」。加入以来、繰り返してきた誓いは半分届かず、半分かなった。宙を舞う姿がまた涙腺を刺激した。「ヨモさんがこの状況であまり睡眠が取れていないっていうのも耳にしていたし、ホッとした顔が見られて本当に良かった」。天使のような微笑を浮かべた。

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