グルメは食糧危機を救う?カンボジアに行って"昆虫食"を試してみた
TABLO / 2016年2月3日 19時0分
■アンコールワットの城下町で
カンボジアを旅行したとき、昆虫食を試してみた。場所はアンコールワットの城下町ともいえるシェムリアップ。この町をほっつき歩いていると、路上に何種類かの昆虫が揚げた状態で売られているのを見かけたのだ。屋台のテイクアウトの店で、若い女の子がタガメとコオロギとゲンゴロウといった昆虫を素揚げにしていた。
僕がカメラを向けると、その彼女、ゲンゴロウを口にくわえ、手招きするではないか。若くてかわいい女の子と昆虫食というギャップと、売ってみせようという売り子の熱意にほだされて、試しに買ってみた。タガメとコオロギとゲンゴロウでまとめて3ドルだった。
昆虫だけ食べるのはきついのでスーパーで瓶ビールと果物とミネラルウォーターを買って、安宿に戻ってからトライすることにした。
コオロギはさくさくとしていて、エビの殻のよう。タガメは一つが5センチほどもあってけっこうグロテスク。かみちぎる行為に抵抗を感じたが、ビールを飲んでいるうちに抵抗感は薄れ、歯ざわりのさくさくさがなかなか気に入った。どちらも古い油を使っていたのか、食べるたびに胃が重くなるし、味らしい味もないが、ビールのつまみとしては案外悪くない。昆虫と目をあわせなければ、という条件がつきはするが。
問題はゲンゴロウだった。カブトムシ同様の甲虫なので、殻が固くなかなか噛みちぎれない。しかも、ゲンゴロウを食べているころには、やすみなく1時間半もたっていたためか、ビールと果物とミネラルウォーターで胃を休めながら食べていたが、それでも胃もたれがひどく、やむなくギブアップとなった。虫をくわえてくれた屋台のお姉ちゃんには悪い気がしたが、それ以上は食が進まなかった。
いい油を使っていて、かつ、昆虫と目を合わせなければ、じゅうぶん食える。今後、さらに人口が増え食糧危機が慢性化しても、昆虫を食べていけば生き残れる。そのことがわかってよかった。
Written&Photo by 西牟田靖
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