韓国検察、「放火殺人」の立証に失敗…「遺棄致死」でくつがえそうとする試み
KOREA WAVE / 2024年3月6日 16時0分
【KOREA WAVE】妻の首を絞めて失神させ、家に火をつけて殺害したとして現住建造物放火致死の罪に問われ、1審で無罪(求刑は無期懲役)となった60代の夫の控訴審公判がこのほど、韓国水原(スウォン)高裁で開かれた。検察は遺棄致死罪を追加する訴因変更を申請、高裁はこれを認めた。
故意に火をつけて妻を殺害した現住建造物放火致死罪について、1審は確定的故意などが立証されていないとして無罪を宣告。これに対して検察は、火災により妻が死亡する危険な状態であったことを知りながら救助しなかったとして、遺棄致死罪を予備的訴因として追加することを求めた。
予備的訴因の追加とは、公訴事実が無罪または一部無罪が宣告されることに備えて予備的に提起する公訴事実。検察にとっては一種の「保険」で、今回のケースでは火をつけたのが妻だったとしても被告を罪に問えることになる。
弁護側は「犯行の主体が違うので罪質が変わる」と反論したが、検察は「遺棄放置した行為者が被告だという事実は変わらない」と主張。高裁は検察の意見を受け入れ、予備的訴因の追加を認めた。
この事件は当初、火災とみられたが、妻の遺体を解剖したところ首の骨の一部が折れていたことが判明。また▽妻に2億ウォン(約2200万円)の保険金が掛けられていた▽妻のアルコール依存症で家族内にトラブルがあった▽事件当日、夫婦間で激しいもみ合いがあったこと――などから夫が起訴された。
夫は一貫して容疑を否認し、1審は夫が放火殺害したことを示す直接証拠がないとして無罪を言い渡した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News
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