法皇ためのGクラス!? 40年前につくられた特別なメルセデスとは

くるまのニュース / 2020年7月20日 12時5分

ドイツ・シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツミュージアムでは、2020年9月まで特別展示「Gクラスの40年」を開催中だ。そこでは、40年前に製作された「ポペモビル」と呼ばれる車両も展示されている。

■メルセデス・ベンツミュージアムで2020年9月まで展示中

 ドイツ・シュトゥットガルトにあるメルセデス・ベンツミュージアムでは、2020年9月まで特別展示「Gクラスの40年」を開催中だ。そこでは、40年前に製作された「ポペモービル」と呼ばれる車両も展示されている。

 この車両は、40年前の1980年11月15日から19日まで、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世のドイツ訪問の際に製作された特別車両。通常は黒い運転手付きのリムジンで移動するが、金色のディテールが施された真っ白なメルセデス・ベンツ「G230」ベースのこのモデルを使用した。

 メルセデス・ベンツは、ローマ法王のドイツ訪問のために、このユニークな車両(全長4392mm×全幅1950mm×全高2800mm)を特別に開発・生産し、当初はバチカンに貸与していた。

 ロングホイールベースのGモデルには、強力な自動空調装置などが装備されていた。夏でも透明なドーム内を快適な温度に保ち、雨や湿度の高い状況下でも窓ガラスの曇りを防いだ。

 エンジンは102psを発生する直列4気筒ガソリンを搭載。オートマチックトランスミッションと、とくに快適なシャシとサスペンションにより、ラフロードでもスムーズな走行が保証されていた。

 上部構造は、礼拝者の視界を遮ることなく教皇を風雨から守ることを目的としており、当初は取り外し可能なユニットとして設計された。だが1981年の暗殺未遂事件の後、このGクラスは改造され、防弾ガラスが装備された。メルセデス・ベンツは、1983年にバチカンの安全仕様を更新したあと、1985年に再びこのGクラスの装備を適合させた。

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 40年前におこなわれた教皇の訪問は、ほぼ200年ぶりにカトリック教会のトップがドイツを訪問した特別な機会だった。

 ハイライトは、ミュンヘンやマインツ、ケルンでおこなわれた、大勢の参拝者の前での礼拝だった。この新しい教皇車両は、舗装された道路、舗装されていない道路を含むあらゆる地形で、説得力のある力を発揮。メディアの注目を集めた結果、この車自体がスターとなった。Gクラスは通俗的に「ポップモービル」と呼ばれ、ヨハネ・パウロ2世の象徴的な教皇の移動手段となり、世界各地を訪問する際には何度も同行した。

 1983年に教皇がオーストリアを訪問した際には、メルセデスのスターバッジが取り外され、「ポペモービル」にプフのバッジが付けられたこともあった。当時、オーストリアではメルセデス・ベンツとシュタイア・ダイムラー・プフ(いまのマグナ・シュタイア)の共同開発・生産によるGモデルが、このブランドで販売されていた。

 Gクラスをベースにしたのは、この1980年の「ポペモービル」だけではない。1982年には「230 GE」をベースに125psの出力を持つ、ほぼ同じ外観を持つ2台目の車両が作られた。

 1982年、メルセデス・ベンツはこの2台をバチカンに永久に引き渡した。シュトゥットガルトの博物館で展示された史上初の「ポペモービル」は、2004年にシュツットガルトに戻ってきて以来、メルセデス・ベンツ・クラシック・コレクションの一部となっている。

 2007年11月、教皇ベネディクト16世には、オープントップボディと折りたたみ式フロントガラスを採用したG 500(463モデルシリーズ)が提供された。バチカンでの謁見の際には、このGクラスは本格的なコンバーチブルとして使用されるほか、フランシス法王の訪問時のように透明で耐候性に優れたルーフ部分を備えている。

 メルセデス・ベンツ博物館は現在、金曜から日曜までの午前9時から午後6時まで開館しており(土曜休館日)、入館は午後5時までとなっている。

 コレクションルーム5では、11台の展示でGクラスの40年の歴史を語っている。

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