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7500万円で落札! メルセデスとマクラーレンの最強コラボ「SLR」とは

くるまのニュース / 2020年8月8日 19時10分

メルセデス・ベンツとメルセデスAMG、そしてマクラーレンがコラボして作ったスーパースポーツである「SLRマクラーレン」。ただでさえスペシャルなSLRマクラーレンのさらに特別なバージョンである「ロードスター722S」と「SLRスターリング・モス」のオークションでの落札価格とは。

■メルセデス・ベンツ/AMGとマクラーレンのコラボモデル!

 生産が終了して約10年という時間が経過しても、スーパースポーツ・ファンの間では、メルセデス・ベンツの「SLRシリーズ」は忘れることのできない存在だ。

メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン・ロードスター722S」は、150台限定で販売された(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン・ロードスター722S」は、150台限定で販売された(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 当時のメルセデス・ベンツ、メルセデスAMG、そしてマクラーレンの3社共同で開発されたSLRシリーズを手にするということは、互いの思想をすべて受け止めることに等しく、それを受け止めてこそSLRのオーナーとなる資格を得ることが可能となる。

 それはSLR、いや正確にはメルセデス・ベンツ「SLR・マクラーレン」の特殊性であると考えてもよいだろう。事実この3社によるコラボレーションは、このSLRを最後に終了し、メルセデス・AMGもマクラーレンも、その後は独自のコンセプトによるスーパーカーを開発している。

 それにしても、なんと美しく独特な存在感を持つモデルであるのか。今回RMサザビーズが開催した、「オープン・ロード・ザ・ヨーロピアン・サマー・オークション」には、メジャーなオークションでも珍しく、2台のSLRマクラーレンが出品されていたが、まず注目したのは、2009年に150台のみ生産された「ロードスター722S」である。

 ロードスター722Sがワールドプレミアされたのは、2008年のパリ・サロンのことで、この時点ですでにSLRの生産中止は公然の噂となっていた。そのため、オープンボディに強力なパワーユニット、そして限定車というプレミアムを付けたロードスター722Sは、SLRシリーズの最後を飾るモデルになるのではないかという話さえ飛び交った。

 ロードスター722Sでメルセデス・ベンツが狙ったのは、もちろんオープン・スポーツとして世界最高水準となるパフォーマンスだ。

 新デザインのフロントスポイラーやリアディフューザーはCFRP素材を使用し、しかもクリア塗装を施すことで凄みを増している。車高は10mmほどダウン、19インチホイールの内側のブレーキも強化型だ。

 搭載されるエンジンは、650ps仕様の5.4リッターV型8気筒スーパーチャージャーである。トップを開ければセミアニリンレザーとアルカンターラのコンビネーションによるスポーティなキャビンが視界に直接飛び込んでくる。

 RMサザビーズは、このロードスター722Sの予想落札価格を65万−75万ユーロ(邦貨換算約8100万円−9300万円)としていたが、結果は60万5000ユーロ(邦貨換算約7500万円)での落札となった。出品者も満足できるレベルの価格だったということなのだろう。

■最低落札価格は2億3600万円! 世界に75台限定のスペシャルSLRとは?

 続いて登場したSLRマクラーレンは、ロードスター722Sから約半年後の2009年のNAIAS(デトロイト・ショー)でサプライズ・デビューを飾ったSLRシリーズのラストモデル、「SLRスターリング・モス」だ。1950年代からメルセデス・ベンツに数々の勝利をもたらした、サー・スターリング・モスの名前は、レースの世界に詳しくない人でも何度かは耳にしたことがあるはずだ。

メルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン・スターリング・モス」は、75台限定の希少モデルだ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sメルセデス・ベンツ「SLRマクラーレン・スターリング・モス」は、75台限定の希少モデルだ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 デトロイト・ショーに姿を現したSLRスターリング・モスを前に、ゲストをもっとも驚かせたのは、これまでのSLRシリーズから大きくその雰囲気を変えたエクステリア・デザインであった。

 メルセデス・ベンツは、実際にモスによってデザインされた「300SLR」から、さまざまなモチーフを受け継いでいる。たとえばシート後方に独立して装備されるロールバーの機能を兼ねたエアスクープや、フロントフェンダーからドアにかけてのエアアウトレットに見られる彫刻的なデザインなどがそうだ。

 フロントウインドウは装備されないが、その代わりにコンパクトなレーシングスクリーンがフィットされる。着座位置が低いため、これでも十分に効果を発揮するというのだが、それを知ることができるのは、わずか75人に限られたオーナーのみである。

 メカニズムの内容は、基本的にはそれまでのSLRシリーズの進化の延長線上にある。5.4リッター仕様のV型8気筒スーパーチャージャーエンジンの最高出力は650psだ。これで0−100km/h加速3.5秒、最高速は350km/hを実現する。

 ちなみにリアの可変式ウイングは、制動時にはエアブレーキとしての機能も兼ねる。

 ロードスター722Sの150台のさらに半分。生産台数がわすかに75台となるSLRスターリング・モス。今回のオークション出品車は、2019年12月に出荷された後、中東にわたり、以後9000kmを走行したのみの個体だ。

 オリジナルのトノカバーやバッグ、ゴーグル等々の装備はすべて揃っている。さらに2020年2月に、ブリュッセルのディーラーで完全な点検を受けている。

 RMサザビーズによる予想落札価格は190万−220万ユーロ(約2億3600万円−2億7400万円)。現在の段階で入札価格は、最低落札価格に達していない。最後のSLRを購入できるチャンスは、まだ残っている。

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