残すはアウディのみ!?「4」と「6」の良いトコ取り! 5気筒エンジン搭載車5選

くるまのニュース / 2021年1月10日 6時10分

4気筒のコンパクトさと6気筒の滑らかさを両立するといわれる直列5気筒エンジン。現在では数が減少してしまいましたが、一時はたくさんのクルマがこぞって5気筒エンジンを採用していたこともありました。そこで今回は、5気筒エンジンを搭載し人気を博したクルマを紹介します。

■瞬発力と滑らかさを両立する5気筒エンジン

 現在ではアウディが採用しているのみになってしまいましたが、過去には多くの車種に「直列5気筒エンジン」が搭載されていました。

 4気筒のコンパクトさと6気筒の滑らかな回転フィーリングを両立するといわれる直列5気筒エンジンは、実際に人気も高いエンジンです。

 そこで今回は、5気筒エンジンを搭載し、人気を博したクルマを5台ピックアップして紹介します。

●アウディ「TT RS」

 アウディは、ひとつの車種に「ベースモデル」とスポーティに仕立てた上級グレード「S」に加え、特別なスポーツモデルのみに与えられる「RS」シリーズを展開しています。

「A3」をベースにスペシャリティクーペのような存在感を放っていた「TT」は1998年に登場。

 日本でのデビュー時は225馬力の1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載、フルタイム4WDシステム「クワトロ」を搭載していました。

 そして2009年、2代目TTをベースに、リアルスポーツカーと呼べるハイパワーエンジンを搭載した「TT RS」が登場します。

 全長4200mm×全幅1840mm×全高1380mmのボディには、RS専用のフロントグリル&バンパーを採用し、255/35R19という太く薄く大きいタイヤを装着。只者ではないオーラを放っていました。

 心臓部には、フォルクスワーゲン「ジェッタ」のエンジンをベースに開発された直列5気筒直噴ターボエンジンを搭載。

 最高出力は2009年当時で340馬力を誇り、当初は6速MTのみで展開していました(2011年からは7Sトロニックも追加)。

 また強力なエンジンに適応すべく、可変ダンピングシステム「アウディマグネティックライド」や、フロント対向4ピストンキャリパーを装備するフロントブレーキなど足回りもグレードアップされています。

 現在では3代目をベースにしたTT RSへと進化し(2017年登場)、最高出力は400馬力までパワーアップされています。

●ホンダ「アコードインスパイア」(初代)

 現在はアッパークラスとなった「アコード」ですが、かつては2リッター以下のミドルサイズのファミリーセダンでした。

 アコードと最上級サルーン「レジェンド」の中間を埋めるべく、1989年に誕生した上級セダンが「アコードインスパイア」です。

 1980年代後半から1990年代前半のいわゆるバブル期は、高性能・新機構が次々に採用された日本車の高度成長期でした。

 当時は「スペシャリティカー」という、オシャレに乗れる上質なクルマが大流行していたこともあり、セダンなのにドアピラーがないハードトップを採用するクルマがブームでした。

 そんななか登場したアコードインスパイアは、全長4690mm×全幅1695mm×全高1355mmのハードトップボディに、専用設計された直列5気筒エンジンを縦置きに搭載。

 しかも運転席寄りにエンジンを配置する「FFミッドシップ」なるコンセプトで、個性を強調していました。

 これも4気筒エンジンを搭載するアコードとV型6気筒エンジンを搭載するレジェンドの中間を位置付けるのに最適だったといえます。

 クロームメッキパーツを多用し、インテリアにはウッド調パネルを採用するなど実用性よりラグジュアリー感を優先させた設計で、アコードインスパイアは大人気モデルとなりました。

 1992年には、重量税の区分の変更に伴い2.5リッターで3ナンバーボディの「インスパイア」も追加。

 いわゆる「ハイソカー」ブームをトヨタ「マークII」兄弟とともに牽引し、バブル時代を駆け抜けたおしゃれな5気筒セダンでした。

●メルセデス・ベンツ「Cクラス」(初代)

 メルセデス・ベンツのラインナップでもっとも人気が高いシリーズといえば「Cクラス」です。

「Aクラス」や「Bクラス」が存在していなかった時代、メルセデスのエントリーモデルはDセグメントの「190」で、世界中で大ヒットしていました。

 そんな人気車種「190」の後継として、新たに車名も変更したCクラスが誕生したのが1993年。

「Eクラス」や「Sクラス」といった高級車ほどではないけれど、日本の道路事情にもマッチしたサイズと排気量で、ライフスタイルを演出する1台として日本でも大ヒットを記録しました。

 グレード展開は、ベーシックな2.2リッター直列4気筒エンジンと高性能な2.8リッター直列6気筒エンジンのほかに、当時の日本では珍しい乗用車のディーゼルとして、2.5リッター直列5気筒ディーゼルエンジンを搭載したグレード「C250ディーゼル」が用意されました。

 全長4495mm×全幅1720mm×全高1420mmのボディサイズは、全幅のみ3ナンバーという扱いやすいサイズ。

 搭載される2.5リッター直列5気筒ディーゼルエンジンは最高出力こそ115馬力でしたが、ディーゼル特有のガラガラ音も乗ってしまえば気になりません。

「乗用車にディーゼル」というヨーロッパでは定番のスタイルがそのまま導入されたことで、5気筒のディーゼルエンジンを搭載したCクラスは一部に根強い人気を誇りました。

■パワーと上品さを併せ持つ5気筒で個性を強調

●フィアット「クーペフィアット」

 曲線を基調としながらもスパッと裁ち落としたリアスタイルや、タイヤに少し被るフェンダーなど、まるでコンセプトカーのようなスタイルで1994年に登場した「クーペフィアット」。

斬新なデザインのフィアット「クーペフィアット」斬新なデザインのフィアット「クーペフィアット」

 斬新すぎるデザインはイタリアの名匠ピニンファリーナによるもので、まるでワニを思わせるフロントマスクなど、スタイルについて議論されることが多かったモデルです。

 このオシャレなクーペも直列5気筒エンジンを搭載していました。

 全長4250mm×全幅1765mm×全高1340mmのボディに隠れるプラットフォームはフィアット「ティーポ」のものを流用。デビュー当初は2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していました。

 当時としては195馬力のハイパワーで、一時は「FF最速」の異名を取っていたのです。

 そして1997年に、220馬力を発揮する直列5気筒エンジン搭載モデルが登場します。

 一般的なエンジンは1気筒あたりの排気量に限界があるといわれ、パワーを確保するための手段として多気筒化することは、振動の軽減や回転のスムーズさを獲得できるメリットが大きかったといえます。

 また直列5気筒エンジンは直列4気筒の安っぽさが薄れ、直列6気筒ほどスペースを必要としないメリットもあり、ピニンファリーナが手がけた独創的なボディに搭載するスペシャリティクーペに最適だと判断されたのでしょう。

 マイナートラブルも多く整備性の悪さでも有名なクーペフィアットですが、現在でも通用する個性的なスタイリングで、見た目以上にスポーティな走りが楽しめる5気筒ターボを搭載したスポーティクーペでした。

●ボルボ「V40」(2代目)

 ボルボといえば、ドイツともフランスともイタリアとも違う、スウェーデンらしい独自の個性と高い安全性を持つブランドとして有名です。

 そしてそんなボルボのエントリーモデルとして1995年に誕生したのが「V40」です。

 初代モデルは、当時の三菱やオランダ政府との合弁会社で生産され、あまり話題にはならないまま2004年に生産終了。

 しかし2012年にまったくのニューモデルとして「V40」が復活。コンセプトは「ボルボの大型モデルの機能や特徴をコンパクトクラスに取り入れる」というものでした。

 そのため、全長4370mm×全幅1800mm×全高1440mmの5ドアハッチでありながら、プレミアム性を高めたモデルとなっていました。

 V40のなかでもベースグレードとなる「T4」には1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載していましたが、スポーティさに磨きをかけた「T5 R-DESIGN」(FF)やクロスオーバーモデル「クロスカントリーT5 AWD」には、2リッターまで排気量をアップして213馬力にまでパワーアップした直列5気筒ターボエンジンを横置きに搭載しています。

 V40は2019年に生産が終了してしまいましたが、現在でも見劣りしない美しいデザイン、独自の「スカンジナビアン」テイストでまとめられたインテリアとともに、操り切れる適度なスポーティ感を堪能できる5気筒エンジンと、魅力的なモデルでした。

※ ※ ※

 パワーユニットがレシプロエンジンからモーターへと移りゆく現代において、大排気量エンジンはもはや必要のない存在になりつつあるのかもしれません。

 ましてや直列4気筒でもなく、シルキーな直列6気筒でもない直列5気筒エンジンは、消滅していく可能性も否定できません。

 しかしピックアップのいい4気筒と、スムーズな回転フィーリングの6気筒エンジンの長所を併せ持つ直列5気筒エンジンは、まだまだ十分な魅力があるエンジンだといえるでしょう。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング