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なぜ高額ミニバンが爆売れ? トヨタ「アルファード」が発売5年経過も販売台数が増加した背景とは

くるまのニュース / 2021年1月18日 7時10分

トヨタ「アルファード」は、2020年の年間登録車販売台数では5位の9万748台を記録しましたが、現行モデル登場から5年経ったにも関わらずなぜ伸び続けているのでしょうか。

■なぜアルファードは2020年で飛躍的に販売台数を伸ばしたのでしょうか。

 昨今、高級ミニバンの代名詞として人気なのがトヨタ「アルファード」です。2020年の年間登録車販売台数では5位の9万748台を記録しています。
 
 エントリー価格が約350万円からと決して安価とはいえない価格設定ながらも、ミニバン市場では首位になったうえ、ジャンルの垣根を超えてその人気を不動のものとしました。アルファードはなぜ2020年に飛躍したのでしょうか。

 アルファードは、初代モデル(2002年-2008年)、2代目モデル(2008年-2015年)、そして現行となる3代目モデルが2015年1月に登場しました。

 これまでのアルファードは、現行モデルになった2015年が19位(4万4366台)、2016年が24位(3万7069台/83.6%)、2017年が25位(4万2281台/前年比114.1%)、2018年が15位(5万8806台/前年比139.1%)、2019年が13位(6万8705台/前年比116.8%)と、年々販売台数を伸ばしてきました。

 そして、2020年では前述のように5位の9万748台となり前年比は132.1%と、これまで以上に大きく販売台数を伸ばしています。

 この好調な要因として、2019年12月18日におこなった9インチディスプレイオーディオの標準化や通信・快適装備の追加などの一部改良と、2020年5月1日から全国のトヨタ系販売店で全車種の併売化が開始されたことが挙げられます。

 一部改良について、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「販売当初は今回の一部改良という点が見た目、内装、パワートレインなどの大幅な変更点がなかったため、お客さまからの関心や興味は当初少ない印象を感じていました。

 ですが売れ行きに関して、発表当初である2月、3月は社用車などの法人からの注文が増える時期でもあり、営業車、社用車として注文を多くいただくようになりました。

 今回の一部変更点は、前回の安全支援を主軸とした変更ではないにしても、スマートフォンと連携したディスプレイオーディオや、Apple CarPlayが使えるようになったため、お客さまの利便性が向上することで、購買意欲も上がったと感じています。

 ただ正直、外装や内装の変更点があったほうが、こちらとしてもセールスポイントとしてお客さまに説明しやすいかなと思います」

 また、併売化について別の販売店スタッフは次のように話します。

「当店は元々トヨペット店だったので、アルファードを扱っていたこともあり、併売化がスタートした後もお客さまには、知見のあるアルファードをおすすめしていました。

 別の店舗では元々ネッツ店だったこともあり、併売化までは『ヴェルファイア』をおすすめしていたようですが、お客さまから『アルファードを検討したい』という声が少なくないといいます。

 また、併売化となった5月1日にはゴールドがアクセントとなる特別仕様車が発売されました。

 これは、以前にも同様のパッケージで販売していましたが、お客さまから好評なこともあり、併売化と合わせてそれなりの売れていたと記憶しています」

※ ※ ※

 また、中古車市場でもアルファードの人気は高まっているといいます。国産ミニバンを専門に扱う中古車販売店は次のように話します。

「ここ2、3年でアルファードの人気は不動のものになっていると思います。購入するユーザーからは、高級感のある内外装に加えて、迫力のあるメッキ加飾が人気です。

 また、アルファードとヴェルファイアの人気が逆転した頃から『アルファードブランド』といえるものが確立された印象があります。

 そのため、昔の『いつかはクラウン』や『エコカー=プリウス』のように、『高級ミニバン=アルファード』という図式が浸透した結果、多くのユーザーの関心を集めているのではないでしょうか」

※ ※ ※

 プリウスが長らく販売台数ランキングで首位を死守していたのは、前述の「エコカー=プリウス」というイメージに加えて、幅広い世代が購入してきたことによるプリウスブランドが確立されたことが要因だといえます。

 また、ホンダの軽自動車「N-BOX」は軽自動車で6年連続、登録車を含めると4年連続で販売台数No.1を記録していますが、これも「軽自動車=N-BOX」といえる独自のブランドを確立したからこその偉業です。

 アルファードにおいても、前述のように積み重ねた実績や信頼に加え、日本人が求める高級感がマッチしたことで、2020年は大きく飛躍した1年になったのかもしれません。

■2019年12月の一部改良、ユーザーからの反響はどう?

 2020年で飛躍した要因となる、2019年12月の一部改良ですが具体的にはどのような変更があったのでしょうか。

 今回の改良では、スマートフォンとの連携を可能にした9インチの「ディスプレイオーディオ」が標準装備されています。

 ドライバーは、ディスプレイオーディオから車載通信DCMと合わせてコネクティッドカーとして、便利で快適な運転支援を体感することが可能となりました。

 この車載通信DCMとは、「Data Communication Module」の略語となっており、クルマとDCM、トヨタスマートセンターを経由する中継機のようなものです。

 この機能では、通信量を気にせずサービスを利用することができたり、道路の交通状況をリアルタイムで確認できるなどのメリットがあります。

 また、「Apple CarPlay」「Android Auto」を利用することによって、リアルタイムの交通状況とリンクしてナビゲーションができ、同様に日常利用している地図や音楽アプリをディスプレイ上での操作が可能です。

 従来より設定されていた、「T-Connect SDナビゲーションシステム」には10.5インチディスプレイ、リアシートエンターテインメントシステムには、13.3インチディスプレイが採用され、大型化することにより、より見やすさを追求しています。

 また、アシスト機能では「バックガイドモニター」を標準装備するとともに、3眼LEDヘッドランプ、ウエルカムパワースライドドア&予約ロック機能を標準装備設定したグレードを拡大し、スライドドアの開閉に連動してステップが展開格納される電動サイドステップをオプション設定しています。

 この予約ロック機能とは、スマートキーに事前に予約セットスイッチを設定して、開閉させたいパワースライドドア側のボタンを押し、スマートキーを持った人が対象エリアに近づくと自動で開閉する機能です。

 3眼ヘッドライトは従来メーカーオプションでの装備品という扱いでしたが、今回の一部改良で全車標準装備となっています。

スマートフォンとの連携を可能にした9インチのディスプレイオーディオ(DA)を標準装備。スマートフォンとの連携を可能にした9インチのディスプレイオーディオ(DA)を標準装備。

 このような改良内容について、ユーザーからはどのような反響なのでしょうか。

 今回の改良で搭載されたディスプレイオーディオについては、「ディスプレイオーディオには最初慣れませんでしたが、徐々に慣れていき、今では大変便利な機能と感じています。デザインやフィッティング具合もなかなか格好良く気に入っています」といった、使用してみて便利さを感じたというような高い評価が見られました。

 標準装備となった3眼ヘッドライトに関しては、「ミニバンにおいて最良の選択肢! 3眼ヘッドライトはシーケンシャルよりもAHSとコーナリングランプが非常に便利! 私はモデリスタエアロを装着しましたが、全体的なバランスが良く気に入っています」といった良い意見が見られました。

 総合的な面を見た声としては、「アルファードは昔と比べて高額に感じますが、技術、装備、性能など総合的にみると妥当な金額のように思います」

 という意見が見られ、全体を通してユーザーからの反応に今回の一部改良後の不満点は少ないようです。

 ディスプレイオーディオは、他社のカロッツェリアやアルパインなどと比較する意見がありますが、実際に試乗や購入後に使ってみると便利性の高さから好印象、高評価なイメージがあるようです。

※ ※ ※

 アルファードは、現行モデルになって6年目を迎えます。巷の噂では、2022年にもフルモデルチェンジするのではないかといわれています。

 しかし、高価格なモデルにおいて6年経っても販売台数が伸び続けていることは異例ともいえ、今後のフルモデルチェンジでどのような変化が見られるのか気になるところです。

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