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世界初の自動運転レベル3、ホンダ「レジェンド」 事故責任の線引きはどうなるのか

くるまのニュース / 2021年3月29日 9時10分

ホンダは、世界初の自動運転レベル3機能を有する「Honda SENSING Elite」を搭載した新型「レジェンド」を2021年3月5日に限定100台リース発売しました。技術的な面や事故時の責任など課題が多かったレベル3ですが、レジェンドはどのような部分が優れ、そして事故時の責任はどの部分で線引きされるのでしょうか。

■ついに世界初の自動運転レベル3登場! 事故責任の所存はどうなる?

 かつてクルマの「自動運転」は夢物語だといわれていました。しかし、最近では、クルマ側が一定の条件下で運転支援をおこなう機能(レベル1・レベル2)が増えてきています。
 
 しかし、それらは有事の責任は運転者にありますが、ついにクルマ側に責任が移管する「レベル3」に分類されるモデルとしてホンダは「レジェンド」を発売しました。
 
 世界初のレベル3モデルとなったレジェンドは何が凄いのでしょうか。

 自動運転は、機能差によっていくつかのレベルに分けられており、現在では6段階のレベルが設定されています。

 従来の運転支援機能が作動していない状況を「レベル0」とし、運転者がつねにすべての主制御系統(加速、操舵、制動)の操作をおこないます(前方衝突警告などの、主制御系統を操作しない運転支援システムも含む)。

 そして、以下のものが具体的な自動運転のレベルに該当します。

 ●レベル1:
 ・運転支援
 システムが前後・左右いずれかの車両制御を実施するもの。
(衝突被害軽減ブレーキや前走車について走るACC、車線からはみ出さないLKASなど)

 ●レベル2
 ・特定条件下での自動運転機能(レベル1の組み合わせ)
(車線を維持しながら前走車について走る……LKAS+ACCなど)

 ・特定条件下での自動運転機能(高機能化)
(高速道路での自動運転モード機能……自動追い越し/分合流の自動化)

 ●レベル3
 ・条件付き自動運転
 (システムがすべての運転タスクを実施するが、システムの介入要求などに対してドライバーが適切に対処することが必要)

 ●レベル4
 ・特定条件下における自動運転
 (特定条件下においてシステムがすべての運転タスクを実施)

 ●レベル5
 ・完全自動運転
 (つねにシステムがすべての運転タスクを実施)

※ ※ ※

 現在の市販車で主流となるのはレベル1の運転支援機能です。さらに、一部の高級モデルなどにレベル2が採用され、国産車では日産「スカイライン」やスバル「レヴォーグ」の一部グレードがそれにあたります。

 今回のレジェンドは、「Honda SENSING Elite」というシステムの一部で「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」というものを採用。

 この機能により、ホンダは国土交通省より自動運行装置として型式指定を取得した「レベル3:条件付自動運転車(限定領域)」に適合したことで、高速道路渋滞時など一定の条件下で、システムが運転者に代わって運転操作をおこなうことが可能となりました。

 このトラフィックジャムパイロットは、一定の条件下で運転者に代わってシステムがカメラ、ソナー、レーザー、レーダーを用いて周辺を監視しながら、アクセル、ブレーキ、ステアリングを操作する機能です。

 レベル3運転者はナビ画面でのテレビやDVDの視聴、目的地の検索などのナビ操作をすることが可能となり、渋滞時の疲労やストレスを軽減させることが可能です。

 技術的にも製品化が難しかったレベル3ですが、各自動車メーカーがレベル3の市販化に踏み切れなかったひとつに「有事の責任」が挙げられます。

 レベル2までは、あくまでも運転者が主体となりますが、レベル3以上では、操作の主体はクルマ側のシステムになります。

 そのため、明確にレベル3作動化であれば有事の責任は自動車メーカーになるものの、レベル3から運転者に操作が切り替わるタイミングを起因とした有事の所存が白黒付けづらい部分です。

 では、レベル3からレベル2に代わるどのタイミングで責任の所存が線引きされるのでしょうか。Honda SENSING Eliteの開発担当者は次のように説明しています。

「基本的には、法律の観点からはクルマ側が運転者に運転操作をおこなうように警告をし、ステアリングやペダル類を操作した時点で運転者の管理下に代わります。

 しかし、実際にクルマが運転操作の警告を出したタイミングで即座に運転者が操作を出来るわけではありません。

 そのため、万が一事故ではどのタイミングかつシチュエーションによって異なる部分が多いので、難しい部分ではあると思います」

※ ※ ※

 今回のレベル3を有するレジェンドは、限定100台の生産となり、リース販売のみとなります。

 世界初のレベル3モデルとなったレジェンドを始め、今後クルマ側が責任を伴うモデルが普及するには、さまざまな課題が残っているものの、技術的かつ責任の所存という部分のハードルを超えたホンダが今後、どのような展開を見せるのか期待したい部分です。

■世界初レベル3のレジェンドはどのようなコトが出来るのか

 前述のトラフィックジャムパイロット以外にもレジェンドにはさまざまな先進技術が採用されています。

 まず、スカイラインやレヴォーグでも採用されるハンズオフ機能では、高速道路や自動車専用道で、渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)と車線維持支援システム(LKAS)が作動中に一定の条件を満たすと、運転者がハンドルから手を離した状態でも、システムが運転操作を支援します。

 具体的な機能は次のとおりです。

 ●ハンズオフ機能付車線内運転支援機能

 システムが車線内の走行や追従を支援。システムは設定された車速を保ちながら車線中央に沿うように走行し、先行車がいる場合は適切な車間距離を保ちながら追従を支援します。

 ●ハンズオフ機能付車線変更支援機能
 ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、運転者が周囲の安全を確認しウインカーを操作すると、システムが車線変更に伴う加減速、ハンドル操作を支援します。

 ●ハンズオフ機能付高度車線変更支援機能
 ハンズオフ機能付車線内運転支援機能で走行中、高度車線変更支援スイッチをONにすると一定の条件下でシステムが状況を判断して、車線変更や追い越しなどの操作を支援します。

 システムが車速の遅い先行車を検知した場合、ドライバーに告知をおこなったうえで、追い越しや車線復帰を支援します。

クルマ側から運転操作を要求される際、ステアリング中央部、ナビ画面上部、グローブボックスがオレンジ色に変わるクルマ側から運転操作を要求される際、ステアリング中央部、ナビ画面上部、グローブボックスがオレンジ色に変わる

 また、「緊急時停車支援機能」として、運転者がシステムからの操作要求に応じ続けなかった場合、左車線へ車線変更をしながら減速・停車を支援する機能も採用されています。

 この機能は、トラフィックジャムパイロット・ハンズオフ機能の終了時、システムからの操作要求に応じなかった場合、警告音を強め、シートベルトに振動を加えるなど、視覚、聴覚、触覚によって運転者に操作を要求します。

 それでも、運転者が操作要求に応じ続けなかった場合はハザードランプとホーンで周辺車両への注意喚起をおこないながら減速・停車を支援。

 路肩がある場合は、左側車線に向かって減速しながら車線変更するようになっています。

 なお、運転者はレベル1のACCやレベル2のハンズオフ、レベル3の際に視覚でそれらを区別することが可能です。

 レベル1のACC作動時は、他車同様にメーター上に緑の作動マークが点灯。レベル2のハンズオフ時にはステアリング中央部がターコイズブルーに点灯します。

 そして、レベル3となるトラフィックジャムパイロット作動時には、ステアリング中央部、ナビ画面上部、グローブボックスがターコイズブルーに点灯。

 また、クルマ側から運転操作を要求された場合には上記の点灯部分がオレンジ色に変わることで、運転者に警告します。

※ ※ ※

 なお、今回のレジェンドではレベル3モデルにおいて、周囲からもその存在が分かるように前後バンパーにターコイズブルーのライトを配置、イグニッション連動で点灯するほか、リアトランク部分に「AUTO MATED DRIVE」と書かれたステッカーが貼り付けられます。

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