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まさに機能美といえるデザイン! 良質な道具として誕生した車3選

くるまのニュース / 2021年9月28日 6時10分

私たちの日常を支えているクルマといえば商用車です。物流を支えているトラックやバン、人を運ぶバスなどが身近な存在ではないでしょうか。商用車は仕事で使うことを想定して設計されており、本来はデザインよりも機能が優先されていますが、なかには優れた機能と秀逸なデザインを両立したモデルも存在。そこで、良質な道具として誕生した商用車を、3車種ピックアップして紹介します。

■優れた機能とデザインの両方を兼ね備えた商用車を振り返る

 商用車というと、物流を支えているトラックやバン、多くの人を一度に運ぶことができるバス、行きたいところに連れて行ってくれるタクシーなどが身近な存在ではないでしょうか。

 一般的に商用車はそれぞれが果たす役割によって、機能を優先して設計されています。また、燃費や耐久性、メンテナンスのしやすさ、維持費も安く抑えるなど、ビジネスで使われることを考慮した商用車ならではの仕様となっている部分もあります。

 さらに、余計な加飾や装備を排除して販売価格をなるべく安価に設定することも重要で、見た目については乗用車よりも簡素といえるでしょう。

 しかし、商用車のなかには優れた機能とデザインを両立したモデルも存在。そこで、機能美ともいえる良質な道具として誕生した商用車を、3車種ピックアップして紹介します。

●スズキ「ジムニー」

単に優れたクロカン車だっただけでなく、プロにも認められた道具だった「ジムニー」単に優れたクロカン車だっただけでなく、プロにも認められた道具だった「ジムニー」

 軽自動車のなかで唯一無二の悪路走破性に特化したスズキ「ジムニー」は、林道ドライブや専用コースでのクロスカントリーなど、今ではレジャーカーという面と、豪雪地域での足として活躍しているイメージがあります。

 しかし、誕生当初からプロの道具という使われ方も想定しており、実際にビジネスカーという面もありました。

 初代ジムニーは1970年に発売され、車体は堅牢なラダーフレームにジープタイプのボディを架装する構造を採用し、本格的なクロカン車を軽自動車規格に収めたかたちです。

 当初、乗車定員は3名、最大積載量250kg(2名乗車時)の商用車登録で、キャビンはソフトトップのオープンモデルのみでしたが、後のマイナーチェンジでメタルトップのバンが追加され、超小型でスクエアなフォルムは機能的なデザインといえます。

 エンジンは同社の軽トラック「キャリイ」のものをベースとした、最高出力25馬力の空冷360cc2サイクル2気筒を搭載。

 出力はわずかですが、2サイクルエンジンならではの粘り強い低速トルクと、車重600kgと軽量な車体だったため、街中や山道を走るには十分なパワーでした。

 トランスミッションは4速MTのみで、駆動方式は副変速機付きパートタイム式4WDとクロカン車の定番です。

 サスペンションは耐久性の高いリーフスプリングを採用した前後リジッドアクスルで、ストロークが長く16インチの大径ラグタイヤ(悪路用タイヤ)が装着されるなど、悪路走行に特化していました。

 さらに、初代ジムニーはオプションで「パワー・テイク・オフ(PTO)」が用意され、エンジンの出力を外部に供給することで、ウインチや、排水ポンプといった農業用機械なども動かすことも可能でした。

 初代ジムニーは高い悪路走破性から手軽にアウトドアを楽しめるレジャーカーというだけでなく、山間地での林業や土木、郵政に携わる人々から、さまざまな状況下で使える「プロの道具」として認められて活躍し、現在に至ります。

●日産「サニートラック」

積載性だけでなくデザインや走りも優れていた「サニートラック」積載性だけでなくデザインや走りも優れていた「サニートラック」

 1966年に誕生した日産(ダットサン)初代「サニー」は、同社の大衆車の原点といえるモデルです。

 発売当初2ドアセダンのみだったボディも後に、4ドアセダン、2ドアクーペ、2ドアライトバンが追加され、1967年にはピックアップトラックの「サニートラック」をラインナップするなど、高度成長期のクルマに対するあらゆるニーズに対応しました。

 そして、1970年に2代目が登場しましたが初代と同様に多くのボディタイプが設定され、1971年にはサニートラックも2代目が登場。

 ボディはセダンをベースとしたモノコックシャシで、共に2人乗り最大積載量500kgの標準ボディとロングボディの2種類が設定されました。デザインはキャビンよりも前の部分は基本的にセダンと共通です。

 搭載されたエンジンは最高出力68馬力(グロス)の1.2リッター直列4気筒OHVで、レースでも活躍するなど後に名機と呼ばれた「A型」で、駆動方式はFRで、トランスミッションは4速MTのフロアシフトと、3速MTのコラムシフトが設定されました。

 サスペンションもセダンと同じくフロントがストラット、リアがリーフスプリングのリジッドアクスルです。

 その後、1973年にサニーが3代目にモデルチェンジしてもサニートラックはそのまま形を変えず販売を継続し、1978年のマイナーチェンジで丸型2灯のヘッドライトは変わらず、フロントグリルのデザインを変更して樹脂製となりました。

 さらに、1989年にはヘッドライトが角形に変更され、デュスクブレーキが採用されるなどの変更を受け、1994年まで販売されました。

 平成まで生き残ったサニートラックはクラシカルなデザインかつ希少な小型FR車ということもあり、生産終了後も趣味のクルマやチューニングベースとして、今も数多くの愛好家や、サニートラックを専門に扱うショップがあるほどです。

 なお、日本で生産を終えたはずのサニートラックは、南アフリカで「バッキー1400」という車名で2008年まで現地生産が続けられ、じつに37年間も生産されたことになります。

●トヨタ「プロボックス/サクシード」

ビジネスで使われることに特化して開発された「プロボックス」ビジネスで使われることに特化して開発された「プロボックス」

 現在、トヨタを代表する商用車といえば、1ボックスバンの「ハイエース」と、ライトバンの「プロボックス」です。

 このうちプロボックスは新世代のライトバンとして2002年に姉妹車の「サクシード」と共に誕生しました。

 プロボックスは「カローラバン」および「スプリンターバン」の後継車で、「サクシード」は「カルディナバン」という位置付けで、ボディは共通ながらフロントフェイスとリアまわりのデザイン、全長や荷室長が異なり、装備もサクシードの方が豪華版です。

 外観は室内のスペースをできるだけ確保するために比較的高い車高とし、サイドパネルとバックウィンドウは垂直近く立てられたスクエアなフォルムで、前後のブリスターフェンダーによって控えめにスポーティな印象を表現しています。

 なお、共に5ナンバー登録の乗用モデルとしてステーションワゴンも設定されました。

 内装では収納スペースやテーブル、長時間運転での疲労を軽減するシートなど、トヨタが持つ商用車のノウハウが惜しみなく投入されたといいます。

 搭載されたエンジンは1.3リッターと1.5リッター直列4気筒のガソリンと、1.4リッターディーゼルの3機種が用意され、ワゴンはガソリン仕様のみです。

 主要なコンポーネンツは初代「ヴィッツ」と共用していたことから、足まわりはフロントにヴィッツ系と同形状のストラットとしていますが、リアは後傾させたショックアブソーバーと非線形タル型コイルスプリングを用いた、専用開発の4リンク式を採用。さらに、コーナリング中のロールを抑えるスタビライザーを前後に装着して走行安定性を高め、乗り心地の向上と荷崩れの防止も考慮しています。

 2014年にプラットフォームを一新するビッグマイナーチェンジがおこなわれた際に、外観デザインの一新とプロボックス/サクシードのデザインの統一化がおこなわれました。

 同時にワゴンが廃止されましたが、内装はさらにユーザーの声を反映して使い勝手の向上が図られ、2020年にはプロボックスに一本化されてサクシードは消滅しました。

※ ※ ※

 かつて、サニートラックのような小型ピックアップトラックは、多くのメーカーがラインナップしており、同じくライトバンもさらに車種が豊富でした。

 しかし、小型ピックアップトラックはほぼ消滅し、唯一トヨタ「ハイラックス」が販売されていますが、4WDのダブルキャブのみなので、商用車というよりもレジャー用途です。

 また、ライトバンも前出のプロボックスと、日産「AD」の2車種のみとなってしまいました。

 かつてよりも需要が減ってしまったことが大きな理由ですが、昔は個性豊かな商用車も多く、寂しいところです。

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