クルマの「A/Y」ナンバーの意味は? 普通車と何が違う? 滅多に取得できない「T」の正体とは
くるまのニュース / 2022年3月15日 7時10分
ナンバープレートには「ひらがな」が表記される部分がありますが、なかには「アルファベット」の「Y」や「A」が表記されているクルマも見られます。どのような意味があるのでしょうか。
■ナンバーの「Y」ってなに? 普通のクルマと何が違うの?
クルマのナンバープレートには、3桁の「分類番号」や4桁の「一連指定番号」、「地名」、「ひらがな」が表示されています。
これらの情報を組み合わせることによって、クルマのナンバーはそれぞれ表記が異なるようにされています。
そうしたなかで、ひらがなが表記される部分に「Y」や「A」が表記されているクルマも見られます。
この部分にアルファベットが表記されている車両は、ひらがなが表記されている車両とどのように異なるのでしょうか。
アルファベットの「A」や「Y」が表示されているクルマも見られます。こうしたクルマは、とくに神奈川県や沖縄県などで多く見られるようですが、一体どのような車両なのでしょうか。
国土交通省自動車局の担当者は、こうしたアルファベットのナンバーについて、「駐日アメリカ軍の軍人と、その家族の私有車に使われているナンバーです」と話します。
駐日アメリカ軍の軍人と家族の私有車が使用できるアルファベットは、自動車登録規則第13条の規定に関連するものとして、別表第3において「E、H、K、M、T、Y、よ」と定められています。
使用できるアルファベットが複数ある一方で、SNSなどを見てみると、アルファベット表記のクルマを「Yナンバー車両」と表している人も多く、見られるアルファベットはとくに「Y」が多いことがうかがえます。
では、実際に使用されているナンバーはYが多いのでしょうか。
このことについて、前出の担当者は「通達では『Y』を交付することを定めています。ほかにもアルファベットがありますが、それぞれ使用の条件が異なります」と話します。
「通達」とは、1960年9月26日に国土交通省が通達した「駐留軍人軍属の私有自動車の登録の取扱について」を指しており、ここには駐日アメリカ軍の関係者の車両についての規定が記されています。
また、アメリカ軍の軍人とその家族が貨物船などでクルマを輸入した場合には、輸入されたクルマが免税対象になることがあります。
そうした車両には「E、H、K、M」が交付されることが記載され、交付は「E」から順番におこなわれています。
そして、「T」はジュネーブ条約の締結外の国から一時輸入されたクルマに交付されることになっています。
ジュネーブ条約を締結している国から輸入されたクルマの場合は、決められた期間や条件を満たせば、輸出国のナンバーをそのまま使用することが可能です。
一方で、締結外の国の場合には、輸出国のナンバーをそのまま使用することができないため、一時輸入として「T」のナンバーが交付されているようです。
なお、軽自動車に対しては「A、B」が交付されることになっており、このように使えるアルファベットは複数あっても、それぞれ交付される条件は異なるといえます。
前述の担当者によると、免税車などは多くはないようで、街中で目にするナンバーは必然的に「Y」が基本となっているようです。
また、そんなアルファベット表記のクルマは、アメリカ軍に関係している車両であることから、冒頭で述べたように神奈川県や沖縄県など、アメリカ軍の駐留施設がある地域でよく見られるといえそうです。
※ ※ ※
ここで、多くの人は「『よ』はどうなったの?」と疑問に感じることでしょう。
「よ」は、駐日アメリカ軍の軍人と家族の私有車が使用できる、唯一のひらがなとなっています。
使用条件について、前出の担当者は「『よ』は『Y』のナンバーを交付されていたアメリカ軍の軍人が、アメリカ軍ではなくなった場合に交付されるナンバーとなっています」と話します。
つまり、「よ」は「Y」の進化系のような存在で、アメリカ軍の軍人が、軍人ではなくなったために、アルファベットではなく、あえて、ひらがなが採用されているといえそうです。
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