よく見る「自転車の危険運転」 事故ではクルマ側にも過失あり!? ドライバーはどう気をつけるべき?
くるまのニュース / 2024年1月21日 7時10分
クルマを運転中に危険な自転車を見かけるときがありますが、事故予防のためにどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
■自転車の「危険運転」 クルマ側が気をつけることとは
クルマを運転していると、危険な走行をする自転車にヒヤッとした経験のある人もいるかもしれません。
クルマと自転車との事故を防ぐためには、ドライバーはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
警察庁交通局のデータによると、2022年に発生した自転車が関わる交通事故は6万9985件で、これは交通事故全体の23.3%、約4分の1を占める件数です。
さらに、自転車の事故の中でも特に死亡や重傷に至った事故のうち、77.2%がクルマ相手だといい、クルマ対自転車の事故は悲惨な結果を招くといっても過言ではありません。
道路交通法において自転車は「軽車両」という扱いになるため、原則として車道を通行する必要があり、クルマと同様に信号や標識などの交通ルールを守らなければなりません。
しかし、道路の左端を逆走したり、交差点以外の場所で急に道路を横断したりする自転車を見かけ、危ないと感じたことやクルマを運転中にヒヤッとした経験がある人もいるでしょう。
実際に、自転車が当事者となる事故のうち約66%で、急な進路変更などの安全不確認、一時不停止、信号無視など自転車側の交通違反が確認されたといいます。
このようにクルマを運転するドライバー側にとっても、危険な走行をする自転車の存在は脅威といえるでしょう。
一方で、自転車とクルマとの交通事故では、自転車が一般的に交通弱者(保険用語でクルマなどとの事故で大きな被害を受けやすいこと)とされていることから、クルマのほうが過失割合が重くなりやすい傾向にあります。
三井住友海上の公式サイトによれば、クルマ対歩行者の主な事故のパターンで、自転車が黄色信号、クルマもしくはバイクが青信号から黄色信号に変わった場合など、自転車側の責任が大きい場合でも「A:B=40:60」(Aが自転車、Bがクルマもしくはバイク)になるとしています。
このように、自転車に信号無視や一時不停止などの交通違反があったとしても、クルマ側の過失がゼロになることは相当難しいことがわかります。
そのため、クルマのドライバーは常に「自転車が危険な動きをするかもしれない」と予測し回避できるよう意識して運転する必要があり、特に周囲に自転車がいる場合にはその存在を見失わないようにすることが大切です。
クルマのドライバーが特に気をつけるべき具体的なポイントのひとつが、交差点などでの出会い頭の事故です。
細い脇道から自転車が飛び出してきたり、自転車が交差点を斜めに横断したりすることもあるため、見通しの悪い脇道や交差点の手前では安全な速度まで減速するほか、一時停止の標識がなくても一時停止して確認すると安心です。
また、クルマが右左折する時は、自転車がクルマの死角に入りやすいため、サイドミラーだけでなく目視で確認をする必要があります。
ほかにも、路肩など車道の左端を走行する自転車の後ろについて走行する場合は、自転車が急に進路を変えて目の前を横断したり、障害物を避けるために瞬間的に飛び出してくることがあることにも注意が必要です。
こういった急な動きにも対応できるよう、広い視野で危険予測をしながら適切な車間距離を取って走行する必要があり、特に雨の日や夜間など視界の悪い場面では自転車の動きが把握しづらくなるため、丁寧に確認を行いましょう。
さらに、冬季は日没が早まり、薄暮時間は通勤・通学時間と重なるなどの理由から事故が増加しやすいため、早めにライトを点灯させて、自転車の存在をいち早く気づけるようにする必要があります。
※ ※ ※
クルマのドライバーは免許を取得する際に、学科試験のために交通ルールを学ぶ機会があり、その多くが自動車学校などで教習を受けた人が多いでしょう。
しかし、自転車の運転には免許が不要で、年齢を問わず誰でも乗ることができることから、交通ルールを認識せず運転している人も少なくありません。
自転車との事故を避けるためにも、クルマのドライバーは「もしかしたら自転車が予期せぬ動きをするかもしれない」と想定して運転することが大切です。
また、日常的に自転車に乗る人であれば、クルマとの事故を防ぐためにも交通ルールを見直すとともに、目立ちやすい服装や反射板を取り付けるなどの対策を取ることが望ましいでしょう。
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