日産が「新型SUV」を世界初公開へ!? 全長5m超え「ナバラ」ベースの「パラッソ」とは? まもなく中国で発表か
くるまのニュース / 2024年3月9日 18時10分
鄭州日産が「東風」ブランド向けに製造する「パラッソ」の純電動モデルの投入を控えていることがわかりました。
■ピックアップ「ナバラ」ベースの純電動SUVを投入へ
中国で日産車種を生産する「鄭州日産」が新たな電気自動車(BEV)の投入を控えていることがわかりました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
日産は中国にて主に二つの合弁会社を設けています。一つ目は東風汽車集団(DFG)との「東風日産」で、正式名称は「東風汽車有限公司(DFL)」となります。
もうひとつは東風日産傘下の「鄭州日産」で、東風日産が乗用車を中心として製造・販売をおこなうのに対し、鄭州日産ではピックアップトラックやSUVなどのオフロード車種を手がけているのが特徴です。
鄭州日産は1993年3月に日産、そして中国国有の投資会社「中信集団(CITIC)」などの出資を受けて河南省鄭州市に誕生しました。1999年には「ダットサン」や「NP300」、「ナバラ」などさまざまな名称で知られたピックアップトラック「D22」の中国国内における製造を開始します。
日産ブランド下のD22は南アフリカ向けに展開されていた「NP300 ハードボディ」が2022年に生産終了したことで途絶えましたが、一方で鄭州日産が製造する東風ブランドのピックアップトラック「リッチ」はD22のプラットフォームをそのまま流用しており、D22は1997年の初登場から27年間にわたって今もなお製造されている形になります。
そんな鄭州日産では日産ブランドと東風ブランド両方の車種を製造しています。
また、フルモデルチェンジによって古くなった日産車種を東風ブランドの車種として再度発売することもあり、他の日系メーカーの合弁会社とは異なる関係性がユニークです。
鄭州日産は現在、日産ブランドからはピックアップトラック「ナバラ」と、先代エクストレイルがベースの「エクストレイル クラシック」の2車種を生産しています。
過去にはNV200の中国現地生産も手がけておりましたが、現在は終了しています。そして東風ブランド車種では日産 テラの東風モデル「パラディン」、日産 ナバラがベースの「リッチ」シリーズ、そしてリッチ最新モデル「リッチ7」がベースのSUV「パラッソ」を製造しています。
そんな中、鄭州日産が新たな電気自動車(BEV)の投入を控えていることが明らかとなりました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
明らかとなったのは、鄭州日産が「東風」ブランド向けに製造する「パラッソ」の純電動モデルです。
鄭州日産では以前より「ナバラ」の最新モデル「D23」をベースとしたピックアップ「リッチ6」を製造しています。
リッチ6には日産のM9T型2.3リッター直列4気筒ディーゼルターボエンジンと、 綿陽新晨動力が製造する2TZH型2.4リッター直列4気筒ガソリンターボエンジンの2種類がパワートレインとして用意されています。
また、これに加えて2019年には純電動となるBEVモデルも投入されました。通常の「パラッソ」が「リッチ7」をベースとしているように、今回明らかとなった「パラッソ」のBEVでは「リッチ6」のBEVがベースとなります。
工信部に届出された情報によると、パラッソのBEVは全長5252 mm x 全幅1894 mm x 全高2010 mmのボディを持ち、ホイールベースは3150 mm。
通常のパラッソとは全長が変わらないものの、全幅は30 mm広く、全高が21 mm高くなっています。
これはおそらく駆動用バッテリーを搭載するにあたってのボディサイズの変更と推測できます。
肝心の駆動用バッテリーはリッチ6のBEVモデル同様、バッテリー大手「CATL(寧徳時代)」が製造するリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載します。
容量はリッチ6の最上位グレードと同じ77.28 kWh(CLTC航続距離411 km)ですが、リッチ6下位グレードが搭載する60.16 kWhのバッテリーをパラッソも搭載するかは不明です。
パラッソ BEVは前後それぞれに出力241 hp(180 kW)のモーターを搭載し、合計で482 hpを出力する四輪駆動となります。
リッチ6では出力160 hp(120 kW)、もしくは174 hp(130 kW)を搭載する後輪駆動のみの設定で、四輪駆動モデルは存在しませんでした。
もしもパラッソ BEVのバッテリーが容量77.28 kWhのみなようであれば、それはパラッソがよりパワーを要する四輪駆動であることが影響しているかもしれません。
エクステリアデザインは既存のパラッソに準拠しており、フロントグリルはBEVらしく埋められています。
それに加え、グリル上部の両端には充電口のようなものも確認できます。
また、パラッソはピックアップトラックをSUVに仕立て上げたモデルであることから、Cピラー以後のキャビン部は居住性を確保するためにルーフが数十センチかさ上げされているのが特徴的です。
パラッソのBEVモデルがいつ正式に発表されるかは不明ですが、工信部に届出されたということはもう間もなくの登場を控えていることを示します。
鄭州日産が生産するモデルはオフロード性能において高い評価を得ていますが、今回明らかとなった新たなBEVではそれに加えて電気駆動特有のパワフルなトルクを兼ね備えた形になります。
純電動のオフロード車は中国メーカーからすでにたくさん投入されていますが、その信頼性に疑問を抱く声も上がっています。
一方でパラッソのBEVモデルは長きにわたって信頼を培ってきた日産ゆずりのオフロード性能を搭載するBEVとなり、それに対する期待値はとても高いものとうかがえます。
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