水産が盛んな島で「農業を産業に」 北海道・利尻 36歳男性が野菜栽培
共同通信 / 2024年3月20日 9時4分
昆布やウニの産地として知られる北海道・利尻島で、神奈川県から移住した松永仁来(にらい)さん(36)が野菜の水耕栽培に取り組んでいる。利尻町や利尻富士町によると、気候の厳しさなどから専業の野菜農家はいなかったが、松永さんは屋内生産に可能性を見いだし、栄養豊かな湧き水も活用。「農業を島の産業に育てたい」と話す。(共同通信=星井智樹)
北海道本土の北端、宗谷岬から南西約60キロの日本海に浮かぶ利尻島。面積約182平方キロ、1月末現在の人口は約4千人で、中心に利尻山(1721メートル)がそびえる。
利尻島は耕作に向いた平たんな土地が少なく、気温の低さや強風の影響から農業で収益を上げるのは難しいとされてきた。野菜は主に島外から運ばれているが、フェリーは冬を中心にしばしば欠航。運航会社は燃料費の高騰などを受けて「運賃の値上げも検討する必要がある」と話すなど、新鮮な野菜の安定供給には課題が多い。
松永さんは東京都保谷市(現西東京市)生まれ。大学院を修了後、横浜市の建設会社に就職したが、北海道や離島の暮らしに興味を持ち退職。暮らしていた川崎市から札幌市を経て2019年に利尻町へ移住した。
町役場に勤めたが、新鮮な野菜が手に入りにくいと感じ、役場を辞めて2023年4月、建設会社の元同僚と水耕栽培事業を始めた。
水に植物の根を張らせる方法で、畑作に比べ小さなスペースで栽培できる上、屋内だと環境を制御して一年中安定して収穫できる。使用するのは利尻山に降った雨水や雪が湧き出した水で、野菜の成長に必要なミネラルなどが豊富という。
通常より電気代が多くかかるが、空き家を無償で譲り受けるなどしてコストを削減。無農薬のため洗わずに食べられ、根を付けたまま出荷することで鮮度を長く保つことができるのも特長だ。
これまでリーフレタスや小松菜などを月15~20キロ収穫し、「NIRAI(ニライ)」の事業者名で販売。子どもたちから「もっと食べたい」とせがまれるなど、島内で好評という。当面は島での販売に注力するが、ゆくゆくは島外への出荷も見据える。「他の住民も巻き込んで、漁業に並ぶ規模にしたい」と語る。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
熊本の企業が大阪の地でサステナビリティ農業改革を起こす!
PR TIMES / 2024年4月24日 19時15分
-
大阪ミナミで初夏を味わう!スイスホテル南海大阪でThe Sky Farm Gardenランチビュッフェを開催
IGNITE / 2024年4月24日 16時30分
-
農業素人の元デザイナー、今やハウス12棟で野菜生産 収穫体験人気、海外からの客も
京都新聞 / 2024年4月19日 14時0分
-
北海道新ひだか町のふるさと納税返礼品「春から旬を迎える特産物」5選
マイナビニュース / 2024年4月12日 8時0分
-
福島原発事故から13年、老いて荒野で農に帰る 福島・浪江町、避難指示が解除された地区の今
東洋経済オンライン / 2024年4月6日 16時0分
ランキング
-
1「水のトラブル即解決1000円〜」修理頼んだら請求額150万円…レスキュー商法の被害後絶たず
読売新聞 / 2024年4月30日 7時15分
-
2トイレにスマホ置いたまま離れると、女性の声で「お前忘れ物したな!」…製作費は2700円程度
読売新聞 / 2024年4月30日 8時15分
-
3ファッションデザイナーの桂由美さんが死去 94歳
スポーツ報知 / 2024年4月30日 10時35分
-
4「祭りを見に行こう」10代少年を電車で隣県まで連れ出しか…未成年者誘拐の疑いで21歳の女逮捕
RKB毎日放送 / 2024年4月30日 12時36分
-
5【速報】トンネルで重機を載せたトラックが横転…車線を塞ぎ阪和道「海南IC~有田南IC」で通行止め
MBSニュース / 2024年4月30日 11時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください