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息子にかみついた疑いで誤認逮捕 20代母に県と国が解決金 「取り調べ多大な苦痛」

京都新聞 / 2024年4月5日 19時54分

大津地裁

 生後間もない息子にかみついてけがを負わせたとして滋賀県警に逮捕されたが、別人の歯型を証拠にした誤認逮捕だったと判明し、起訴を取り消された20代の母親が、県と国に計約300万円の損害賠償を求めた訴訟は5日までに、大津地裁(池田聡介裁判長)で和解が成立した。解決金として県が90万円、国が10万円を支払う。

 母親は2019年10月、大津市の自宅で生後約1カ月の息子にかみついたとして傷害容疑で県警に逮捕され、同11月に大津地検に起訴された。大津地裁の公判中、県警が証拠となる歯型を別人のものと取り違えていたことが判明。20年9月に起訴が取り消された。

 母親の代理人によると、県との和解は5日付で「県警は誤った認識に基づいて自白を引き出す取り調べを行ったことで多大な精神的苦痛を与えた」とする内容。謝意を示し、再発防止や適正捜査に努めることも盛り込まれた。

 国との和解は3月25日付。地検が歯型の鑑定書の誤りに気付かず勾留を続け、起訴したことを真摯(しんし)に受け止める、との文言が含まれた。

 訴状では、母親は当初、大津署での任意の取り調べで否認していたが、警察官から「自白すれば子どもは返ってくる」などと怒鳴られ、虚偽の自白を強要されたと主張していた。

 大津市内で5日に会見した母親の代理人の植平朋行弁護士は「取り調べの問題を知ってもらうことなど、訴訟の目的はある程度達成できた」と評価。一方、取調官本人からの謝罪がなかったことは残念だとし「今回のケースをきっかけに一つ一つ適正に捜査してもらいたい」と求めた。

 和解を受けて、県警の渡口充彦監察官室長は「原告に深くおわびし、再発防止を徹底する」、地検の中山博晴次席検事は「本件を真摯に受け止め、引き続き、適正な検察権行使に努める」とコメントした。

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