『魔女の宅急便』キキはママになっていた! アニメ勢が知らない「その後」
マグミクス / 2024年3月22日 21時10分
■「35歳になったキキ」の姿が描かれた原作
1989年に公開されたスタジオジブリのアニメ映画『魔女の宅急便』は、魔女の母と人間の父とのあいだに育った13歳の少女「キキ」が親元を離れ、魔女修行の日々を送る物語です。本作品の原作は角野栄子さんによる同名の児童書で、原作には映画で描かれなかった驚きの事実がたくさん存在しています。本記事では、映画では描かれていない『魔女の宅急便』の設定を見ていきましょう。
魔女の修行のために家を出たキキは、海沿いの街コリコで、メガネがトレードマークの陽気な少年「トンボ」に出会います。映画では、ほうきに乗ったキキによって飛行船の事故から助け出されるシーンがクライマックスとして描かれました。そんなトンボに対し、キキは原作では長い間、片想いをすることになります。恋心が実り、ふたりはキキが22歳のときに結婚します。原作『魔女の宅急便』最終巻でキキは35歳になり、双子の子供たちの母親としての姿を見せてくれるのです。
キキがトンボと結婚することになる原作の展開について、SNS上では「キキとトンボが結婚するなんて最高のハッピーエンド!」「恋愛、結婚、子育てというひとりの女性の人生をシリーズとして書いてくれるのがうれしい」という喜びの投稿が見受けられました。
また映画の後半の印象深いシーンとして、今までキキと言葉を交わしていた相棒の黒猫「ジジ」が突然話せなくなってしまうという出来事があります。映画では、ジジは最後まで話せるようにはなりませんでした。原作でも、「言葉が通じにくくなる」様子が描かれていますが、再びキキとジジは言葉を交わせるようになります。
さらに、原作の3巻目にあたる『魔女の宅急便 その3 キキともうひとりの魔女』には、重要なキャラクターが登場します。それは、16歳になったキキの元へ突然転がり込んでくる不思議な女の子「ケケ」です。ケケは魔女ではないものの不思議な力を持っており、キキの宅急便の仕事を横取りするなど自由奔放に振る舞います。
そんなケケと対立し、どんどん自分を見失ってしまったキキですが、自分の弱さに気付いたことで人間的に成長しました。ケケは原作ファンから人気の高いキャラクターのようで、原作者の角野栄子さんは2022年1月14日に『ケケと半分魔女』という児童書を出版しています。このお話は原作『魔女の宅急便』に登場したケケが「大人になってから書いた物語」という設定になっています。
そして、映画『魔女の宅急便』にも、意外な事実が存在していました。それは、作中でキキに大きな影響を与える絵描きの女性「ウルスラ」にまつわるエピソードです。彼女はキキの良き相談相手になる、重要な役割を担うキャラクターですが、実は作中で彼女の名前が明かされることはありませんでした。
エンドロールにも書かれていない彼女の名前を、「ウルスラ」と認識している人が多いのはなぜなのでしょうか。「ジブリの公式X(現在は終了)にウルスラという名前があった」「金曜ロードショーの公式サイトに書かれていた」「ジブリ版『魔女の宅急便』の絵本に名前が載っていた」など、さまざまな意見があります。自分がいつ彼女の名前を知ったのか、意外と思い出せないかもしれません。
また、作中でウルスラがキキをモデルに描いた、「ペガサスに乗った少女が空を飛んでいる絵」も心に残っているのではないでしょうか。これは、青森県にある八戸市立湊中学校養護学級の生徒が共同で制作した版画が元になっているそうです。
このように『魔女の宅急便』には、アニメ映画本編では描かれなかった多くのストーリーや設定が存在しています。ファンであれば、原作の児童書もジブリ版に負けず劣らず楽しめるのではないでしょうか。
(LUIS FIELD)
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