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原作改変にツッコミが追いつかない実写映画『ストリートファイター』 「まさかのガイルが主役!?」

マグミクス / 2024年11月7日 20時35分

原作改変にツッコミが追いつかない実写映画『ストリートファイター』 「まさかのガイルが主役!?」

■ツッコミどころ多過ぎな実写版『ストリートファイター』

 YouTubeのソニー・ピクチャーズ公式チャンネルで、カプコンの人気格闘ゲームを原作にした1994年公開のアメリカ映画『ストリートファイター』の字幕版が全編無料公開されています。しかしこの映画、実に「ツッコミどころ」が多い! 見どころとあわせて振り返ってみましょう。

 本作のあらすじは「東南アジアの軍事国家・シャドルーの独裁者であるバイソン将軍が人質を盾に連合国軍へ200億ドルの身代金を要求。連合国のガイル大佐は精鋭のファイターたちを引き連れ、果敢に敵陣へ乗り込んでいく」というものです。

 ストーリーは制作当時のシリーズ最新作であった『ストリートファイターII』がベースとなっていますが、「シャドルーがいつ東南アジアの軍事国家に!?」、「(『ストII』の)ガイルは少佐では!?」など、あらすじだけですでにツッコミが追いつきません。

 なお、バイソン将軍というのは日本でいうシャドルーの総帥「ベガ」のことです。これは映画の独自設定というわけではなく、ゲーム『ストII』でもさまざまな事情から日本版→海外版でベガ→バイソン、バイソン→バルログ、バルログ→ベガと名前がシャッフルされています。

 しかし、ここまではまだ序の口です。ガイル、バイソン(ベガ)、ベガ(バルログ)、春麗などはかなり原作に忠実なほうで、リュウとケンは悪人だけをだまして金品を奪う詐欺師コンビ(ただし格闘も強い)、ダルシムは原作の面影がまったくないシャドルーの科学者であるなど、大胆なアレンジが施されているキャラもいます。また、この映画だけのオリジナルキャラであるキャプテン・サワダも、ちょい役ながら妙な存在感があって話題になりました。

■キャミィの「幸せ投げ」も再現?

『ストリートファイター6』より、リュウが「波掌撃」を決めている瞬間 (C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

 ツッコミばかりでは味気ないので、見どころも紹介しましょう。まずは主役のガイルを演じる肉体派アクション俳優、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの体のキレっぷりです。クライマックスでは原作でもおなじみのタンクトップ姿を見せてくれますが、二の腕の太さにビックリ! 「あ、これガイル本人だわ……」と思うこと請け合いです。

 原作でおなじみの必殺技がリアルな格闘シーンに組み込まれているのも大きな見どころです。劇中ではガイルが見事なサマーソルトキックを決めるシーンがあるほか、キャミィが投げ技のフランケンシュタイナーを、ケンが昇龍拳のように鮮やかなアッパーカットを披露します。

 シャドルー側も負けてはおらず、バイソン(ベガ)のサイコクラッシャーアタックや、ベガ(バルログ)のローリングクリスタルフラッシュ(前転で近づいてからツメで刺突する技)も確認できます。そして筆者の一番のお気に入りは、ガイルとともに戦うリュウの波動拳です。

 映画における波動拳はゲームのように気の弾を撃つのではなく「波動拳のようなポーズの掌底で相手を吹き飛ばす」技になっています。上映当時、もしくは何年も前に本作を観た人は「今のは波動拳のオマージュなんだろうな」と感じたかもしれません。

 しかし、令和のいまになってあらためて観てみると『ストリートファイターV』や『ストリートファイター6』のリュウが使う「波掌撃」のようで、これがめちゃくちゃかっこいいのです。こんな偶然、ある!? 終盤のアクションシーンで確認できますので、ぜひ探してみてください。

(蚩尤)

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