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TV各局がいま重視する「23時台アニメ」 ヒットに必要な「3つの要素」がここで結びつく?

マグミクス / 2025年1月11日 21時12分

TV各局がいま重視する「23時台アニメ」 ヒットに必要な「3つの要素」がここで結びつく?

■各局が「23時台」に注目作を投入

 近年、民放のTV局が23時台のアニメ放送に力を入れています。TV局にとって23時台は「プラチナゾーン」と呼ばれる重要な時間帯であり、それだけアニメが重要なコンテンツとして扱われるようになったことを意味しています。この流れは定着するのでしょうか?

 2024年末、フジテレビ系列で放送中のTVアニメ『ONE PIECE』(ワンピース)の放送時間が2025年4月以降は日曜夜の23時15分に変更されると発表され、SNSで大きな話題となりました。長く「ニチアサ」の顔として君臨してきた『ONE PIECE』の放送時間変更は18年ぶりであり、それだけアニメの深夜放送がTV局にとって重要視されていることがわかります。

 深夜アニメに力を入れているのはフジテレビだけではありません。テレビ朝日は2024年10月から土曜の23時半に「IMAnimation」枠を新設し、『ブルーロック VS. U-20 JAPAN』を放送。同枠では2025年4月から期待作の『片田舎のおっさん、剣聖になる』の放送が予定されています。

 テレビ朝日は水曜の23時45分に「IMAnimation W」枠を設け、4月からは電撃小説大賞で「大賞」を受賞した『ユア・フォルマ』を原作としたアニメを、7月からは『地獄先生ぬ~べ~』を放送予定です。アニメへの力の入れようがうかがえます。

 なぜ、TV局はこれほどにアニメを重要視しているのでしょうか。ひとつには日本テレビによる『葬送のフリーレン』の成功があるでしょう。日本テレビは2023年秋に『葬送のフリーレン』の第1話をスペシャル版として金曜ロードショー枠で放送、その後は金曜の23時に設けた「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送し、「金曜ロードショーの後にアニメを見る」形を作り出しました。

■SNSで話題になるには「ギリギリ」の時間帯?

この1月から放送開始の『薬屋のひとりごと』第2期キービジュアル  (C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会 (C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

 その後も「FRIDAY ANIME NIGHT」枠では『転生したらスライムだった件』3期が放送され好評を博し、2025年1月10日からは『薬屋のひとりごと』の2期も放送されています。人気作が次々と投入される点から見ても、日本テレビの試みは完全に成功したと考えて良いでしょう。

 また、2024年4月にはCBCテレビが日曜の23時半から「アガルアニメ」枠を新設し、『転生貴族、鑑定スキルで成り上がる』や『キン肉マン 完璧超人始祖編』などを放送しています。フジテレビも深夜アニメ枠である「ノイタミナ」を23時台に繰り上げると発表するなど、23時台のアニメ枠は激戦区となりつつあります。

 23時台のアニメ放送が加熱する背景には、やむを得ない事情があります。現代でアニメ作品が人気を獲得するには、「SNSで話題になる」必要があるからです。23時台までなら多くの人が起きており、「面白いアニメを観た」という共通の話題で盛り上がることができますが、25時台となるとそうはいきません。

 話題になれば興味を持つ人も増え、配信サービスでの再生数も増加します。現在のアニメ視聴の主流は配信であることは事実ですが、あまりにも作品数が多いため、「いかにして作品の存在に気付いてもらうか」が重要です。

 TVというメディアには、かつてのような圧倒的な支配力はありませんが、無料で番組を見られるという優位性はまだまだ健在です。いわば配信への誘導役として、TVはアニメの世界で有力なポジションを占めています。TVとSNS、配信の関係性を有効にするために、23時台のアニメはこれからも強力なタイトルが投入され続けることとなるでしょう。

(早川清一朗)

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