「板野サーカス」を再現した『スーパーロボット大戦α』 戦闘アニメに釘付けに!
マグミクス / 2020年5月25日 16時10分
■戦闘シーンのアニメーションに目が釘付けに
2000年5月25日にバンプレストから『スーパーロボット大戦α』が発売されてから、今日でちょうど20周年を迎えます。それまでの『スーパーロボット大戦』(以下、スパロボ)から設定を一新してフルアニメーションの戦闘シーンや戦闘スキップなどを導入し、より迫力を増しながらも忙しい社会人がプレイしやすいよう配慮がなされ、高い人気を獲得しました。秋葉原の街頭で戦闘シーンを見て、感動した記憶を持つライターの早川清一朗さんが当時を語ります。
* * *
筆者は学生時代にプレイした『第三次スーパーロボット大戦』から『スパロボ』にハマり、以降『EX』、『第四次(S)』、『魔装機神』、『新スーパーロボット大戦』『スーパーロボット大戦F/完結編』と発売されたシリーズを片っ端から攻略し続けていました。
しかしながら社会人になり、あまりゲームに時間を割けなくなると共に、思ったようなやり込みプレイもできなくなり、徐々に「『スパロボ』の新作だからやる」心境になっていたのです。
「スパロボ」シリーズの売りのひとつである戦闘シーンも、プレイ時間が限られている状況では、思うように楽しむこともできません。最初は喜んで見ていても、徐々に「ああ、スキップしたいなあ」という気持ちが強くなっていたのが現実でした。
『スーパーロボット大戦α』(以下、スパロボα)の発売が発表されたときも、使える時間の関係上、プレイするかどうかはかなり迷いがありました。『超時空要塞マクロス』が新規参戦するというのでかなり気になってはいたのですが、過去、スパロボを制作してきた「ウインキ―ソフト」が外れ、バンプレストの子会社である「バンプレソフト」が開発を行うと知ったことも、不安を後押ししていました。
しかし、それからしばらく経った時のこと。確かパソコンのパーツを買いに立ち寄った秋葉原の中央通り沿いのゲーム店の前に、異様な人だかりができていたのです。皆が夢中になって何かを見ているので、視線を同じ方向に向けてみると、そこに映し出されていたのは、『スパロボα』のデモムービーでした。
そこには、かつて見たことがないほどの、素晴らしい戦闘アニメーションが映し出されていたのです。
■板野サーカスも見事に再現
『超時空要塞マクロス』 が参戦 画像は劇場版『愛・おぼえていますか』DVD(バンダイビジュアル)
デモを見ていた筆者がまず目を奪われたのは、『勇者ライディーン』のライディーンがゴッドゴーガンを放つシーンでした。ここでライディーンはゴッドアローを取り出すと、くるりと回転させてから弓につがえたのです。こんな細かい戦闘アニメーションは、過去の作品では見たことがありませんでした。また、ゲッタードラゴンがシャインスパークを放つ際に、準備段階であるゲッターシャインからアニメーションが作りこまれていたことにも驚かされました。
このような細かい描写を可能にしたのが、本作から実装された、戦闘アニメーションのON・OFF機能だったのです。アニメーションを制作するスタッフからはかなりの反発があったそうですが、代わりにアニメーションの時間制限を大幅に緩和したため細かい要素を入れ込んだ長いアニメーションを作れるようになり、クオリティを飛躍的に向上させることができたのです。
筆者が一番気になっていた『超時空要塞マクロス』のミサイル発射シーン、いわゆる「板野サーカス」がどうなるのかという点も、当時の水準としては極めて高度なレベルで描写されており、これを見て『スパロボα』の購入を決断したのです。
いざ発売日を迎え早速プレイしてみた筆者は、戦闘アニメーション以外にも、多くの点で改善が行われていることに気付きました。『スパロボ』には初期のシリーズから『機動戦士ガンダム』シリーズから多くのユニットが参戦していましたが、他のスーパーロボットと比較すると回避率は高いものの脆く、運用には細心の注意が必要でした。特に遠距離から射撃をする際には遠くでいったん止まり敵が動いてくるのを待つか、射撃を一回受けてから次のターンで攻撃しなければいけませんでした。それが『スパロボα』では一部モビルスーツのビームライフルがユニット移動後に使えるようになっており、使い勝手が飛躍的に向上していたのです。これはガンダムを魂に宿した世代にとってはとてもありがたい仕様変更だったのではないかと思います。
その他にもクォータビューや熟練度システムの採用など、『スパロボα』は、後のシリーズの基礎となる仕様が採用され、まさに新たな世代の『スパロボ』として大きな人気を得たのです。
あれから20年。戦闘アニメーションやBGMなどはハードウェアの性能向上と共に更なる高みへと昇っています。これから先も、きっと『スパロボ』は、新しい感動と驚きをもたらしてくれることでしょう。
(ライター 早川清一朗)
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