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『ドラクエ』の歴史をスライム一族の変遷から紐解く もはや原形を留めていない…

マグミクス / 2021年6月18日 7時10分

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■『ドラクエ』の歴史は「スライム」の歴史? シリーズを追うごとに増えていく一族

 新作『ドラゴンクエストXII 選ばれし運命の炎』にHD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の制作発表、さらには新作アプリゲームのリリースニュース。2021年5月27日、『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)35周年を記念して解禁されたバラエティ豊かな情報の数々からは、今や『ドラクエ』がいちRPGタイトルを越え、全年代向けの一大コンテンツとして愛されていることが分かります。

 多様性を持ったのはゲームジャンルやゲームハードの種類だけではありません。この記事では、『ドラクエ』の歩んできた35年の歴史を紐解くにあたり……シリーズのマスコットキャラクター「スライム」一族の変遷にフォーカスをあてたいと思います。

 水色ボディにトンガリ頭、敵ながら憎めないスライムが初登場したのは、無論1986年に発売されたファミコン用ソフト、初代『ドラクエ』(以下、初代)です。カートリッジの容量が64KB(いわゆる”ガラケー”で撮影した写真1枚と同等の容量)しかなかった『初代』では、水滴の形状のまま”色分け”の工夫が施されたスライムベス、メタルスライムなどの敵が冒険の行手を阻みました。

『ドラクエII』(128KB)、『ドラクエIII』(256KB)とカートリッジの容量が増えるにつれ、触手の生えたホイミスライムに半液状化したバブルスライム、貝殻を被ったスライムつむりなど、徐々にフォルムのバリエーションを増やしていきます。

 スライム一族のひとつの転機に思える作品は、ファミコン用ソフト『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(以下、ドラクエIV)でしょう。

 これまでの作品では「スライム+触手」「スライム+毒」といった具合に、スライムと”何か”を足し合わせる簡単な形態変化しか確認できませんでしたが、『ドラクエIV』で初登場するキングスライムは戦闘中に8体のスライムが合体して誕生する……いわば掛け算の進化です。

 また、『ドラクエ』には、杖や剣などの人工物を装備するモンスターが登場することも珍しくありませんが、これまでスライム一族に与えられた防具は”貝殻”どまり。王冠を被ったキングスライムに、「ボクは わるいスライムじゃないよ」と、人間の言葉を話すスライムまでも初登場する『ドラクエIV』は、スライム一族の大きな進化を確認できる作品でもあります。

『ドラクエV』ではスライムに騎士が騎乗するスライムナイトが登場します。「スライムとナイトどちらが本体か」の説明は細かくなされませんでしたが、主人公の仲間として”共に闘う”スライム一族の新たな一面をプレイヤーに強く残しました。

■もはや知ってる「スライム」じゃない? 歴代のファンが驚愕!

 その後もスライム一族はシリーズを重ねるにつれ、どんどん新たな属性を取り入れて多様な進化を遂げていくことになるのですが……。

 スピンオフタイトル、「ドラゴンクエストモンスターズ」シリーズは、これまで一族に共通していた、特徴的な「目と口」のアイデンティティすら置き去りにする、衝撃のスライムがたくさん登場することでも有名です。

 とりわけ目を引くのは、メタルゴッデスとスライダークロボでしょう。名前を見れば分かる通り、もはや名前から「スライム」を連想することもできません。

 メタルゴッデスはNHK『紅白歌合戦』時の小林幸子さんの衣装さながら”ド派手”な装飾が施されたスライム。閉じた目から伸びるまつ毛が神々しさを演出しています。

 スライダークロボは、二足歩行の巨大ロボット。スライム特有の”丸み”すら失ったスライダークロボは、スライムというよりも、「スライムをモチーフにした兵器」といった表現の方が正しいようにも思えます。

 以上の2体は純粋なナンバリングタイトルにこそ登場していませんが、たとえば、アプリゲーム『ドラクエモンスターズ スーパーライト』では、入手難易度の高いモンスターとして人気を集めています。

 35年の時を経て『ドラクエ』の遊び方やユーザーにも変化が訪れたことは言うまでもありません。そして、その変化はスライムの進化とも呼応しているようにも思えます。

 時代の変化に対応できるスライム一族の本質は、定まった形を持たない”柔軟性”にあるのかもしれません。

(ふみくん)

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