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マンガあるある「ギャグからバトルものへ転向」…“その逆”は存在する?

マグミクス / 2021年9月8日 19時10分

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■「ギャグ→バトル」は王道 その道を逆行する猛者はマンガ界に存在するのか…?

 もともとギャグテイストだった作品がバトルマンガに路線変更することはよくある話です。『ドラゴンボール』(著:鳥山明)が代表的な作品でしょう。今でこそ世界を代表するバトルファンタジーですが、連載初期はギャグ要素が多い冒険マンガでした。

 こうした「ギャグ→バトル」の路線変更したマンガは数知れません。では逆のパターンはあるのでしょうか。つまりもともとシリアスなバトルマンガが突如ギャグマンガになる……そんな作品はあるのでしょうか? 具体的な作品を参照にしつつ明らかにしていきましょう。

 まず改めて「ギャグ→バトル」に路線を変化させたマンガを見ていきます。『ドラゴンボール』以外にも『魁!!男塾』(著:宮下あきら)、『キン肉マン』(著:ゆでたまご)、 『ジャングルの王者ターちゃん』(著:徳弘正也)などなど、やはり「週刊少年ジャンプ」作品が真っ先に思い浮かびます。同誌のアンケート主義が「ギャグ→バトル」へのシフトチェンジを半ば伝統的なものにしていったという見方ができます。また、ここまで挙げた作品はどれも非日常の世界を舞台にしたギャグとして始まったもの。連載が長期にわたるにつれ、初期設定の世界観におけるギャグリソースが枯渇、つまりはネタ切れになることにより、新展開を余儀なくされたという見方も可能でしょう。

 とはいえ多くの方がご存知の通り「ギャグ→バトル」という展開はもろ刃の剣。逆に連載寿命を縮めてしまうなんてこともしばしば起こり得るもの。志半ばで終了していった作品たちの無念を私たちは忘れてはなりません。

 さて、そうした「ギャグ→バトル」マンガにおいて近年、目覚ましいヒットを飛ばした作品があります。『家庭教師ヒットマンREBORN!』(著:天野明)です。同作は連載当初、赤ん坊家庭教師リボーンが「死ぬ気弾」を用いて主人公・沢田綱吉の才能を覚醒させるスラップスティックでしたが、バトル路線に切り替えて人気爆発。最終的に単行本全42巻という長期連載に至ったのです。

 ここまで「ジャンプ」の作品たちを振り返ってきましたが、「ギャグ→バトル」ともまた違う不思議な連載形式を採っていたのが『世紀末リーダー伝たけし!』(著:島袋光年)です。同作はギャグマンガとしてスタートし人気を博しましたが、作者のしまぶーが「俺はバトルが好きなんだよ!」と劇中で宣言していた通り、隙あらばバトル展開に持っていこうとするため「ギャグ→バトル→ギャグ→バトル」が交互に繰り返されました。一部を抜粋すれば「バトル→ギャグ」という捉え方もできるのですが……基本はギャグマンガであり、探しているものとは違います。

 やはり「バトル→ギャグ」という路線変更は難しいのでしょうか。いったん、「ジャンプ」を離れてみましょう。すると、ある作品が引っかかりました。『かってに改蔵』『さよなら絶望先生』『かくしごと』など数々のヒット作で知られる久米田康治先生の連載デビュー作にして問題作『行け!!南国アイスホッケー部』です。(バトルマンガではないものの)爽やかなスポーツマンガの体裁でスタートしたこちらの作品。インターハイを目指し練習に励むアイスホッケー部の青春ドラマだったはずが、途中(単行本3巻あたり)から急転直下で下ネタギャグマンガに路線変更。後半においては全くアイスホッケーが行われなくなり、作画も途中を飛ばしたら同じマンガとは思えないほどに変化します。この大改装に関して久米田先生は「もう生きる道を探していた」「やさぐれてたっていうのもあるかもしれない」と当時の実情を赤裸々に語っていらっしゃいます。やはり正攻法で臨んだものではなかったようです。

 ということでここまで「バトル→ギャグ」に路線変更したマンガについて調べて参りました。部分的に見ればそうと言える作品だったり、少なくとも真面目な作風から一転してギャグへ路線変更したものだったりと、完全一致とまではいかずとも一部該当する作品は見つかりました。とはいえ『行け!!南国アイスホッケー部』を読めば分かる通り、それなりに真面目なストーリーが描かれていたものが突如として振り切れてギャグマンガに転じたとき、読者は背景にあるアナーキズムを感じざるを得ません。つまり、これが主な理由となるかはわかりませんが「バトル(シリアス)→ギャグ」が少ない理由は、“心配になる”から。そう言い切っても、良さそうです。

(片野)

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