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40年ぶりに名人とクイーンが同時交代 競技かるた日本一

毎日新聞 / 2025年1月11日 21時23分

クイーン位決定戦に臨む井上菜穂六段(右)と挑戦者で新クイーンとなった矢島聖蘭八段=大津市神宮町の近江神宮近江勧学館で2025年1月11日午前9時35分、飯塚りりん撮影

 競技かるた日本一を決める「第71期名人位・第69期クイーン位決定戦」(全日本かるた協会主催)が11日、大津市神宮町の近江神宮近江勧学館で開かれた。男子の名人位は九州大大学院1年の自見壮二朗七段(23)=福岡市=が4年ぶり2回目の挑戦で獲得し、女子のクイーン位は初挑戦の関東第一高3年の矢島聖蘭八段(18)=東京都=が制して、40年ぶりに名人位とクイーン位が同時に交代した。【飯塚りりん】

 競技かるたは小倉百人一首のうち、50枚の札を25枚ずつ自陣と相手陣に並べて取り合い、先に自陣の札がなくなった方の勝ち。相手陣の札を取った場合は、自陣の札を相手に送ることができる。決定戦は名人、クイーンとそれぞれの挑戦者が対戦し、先に3勝した方が勝者となる。

 名人位戦は3年連続の防衛を目指した会社員の川瀬将義六段(30)=横浜市=と自見さんが対戦。自見さんが初戦からの3連勝で勝ち取った。3試合中2試合が、互いの陣の札が残り1枚になる「運命戦」となったが、自見さんが落ち着いた試合運びを続けた。自見さんは「お手つきの後や劣勢の場面でも前向きに取ることができた」と振り返り、「幼い頃からの目標を達成できた。1年ごとにレベルアップした姿を見せられるような選手になりたい」と意気込みを語った。

 川瀬さんは「1、2戦でスピードをセーブしてしまった所が反省点だが、永世名人を目指す気持ちは変わらないので、自分の取りを磨いていきたい」と決意を新たにした。連続5期か通算7期で「永世名人」、通算5期で「永世クイーン」の資格が与えられる。

 クイーン位戦は、初防衛を狙うシステムエンジニアの井上菜穂六段(25)=東京都=と矢島さんが対戦し、3勝1敗で矢島さんが勝利。1、3試合は運命戦までもつれる大接戦となったが、いずれも矢島さんが制した。高校生がクイーン位を獲得するのは史上4人目で、楠木早紀さん以来17年ぶりとなる。矢島さんは「ずっと憧れていた場所でうれしい気持ちでいっぱい」と涙を流し、「1、2試合目は緊張で体が固まったが、運命戦を制したことで最後は自分の力が発揮できた」と笑顔を見せた。

 井上さんは「音を聞いてきれいに払いのけることはできたが、やはり最終盤で勝ちきれない所は課題だった。そこを克服し、来年も挑戦したい」と前を向いた。

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