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京アニ事件で犠牲「木上益治さん」の絵本がアニメ化 35年前に出版...元同僚らが製作を進め完成 インターネット配信を予定

MBSニュース / 2024年3月26日 11時19分

 京都アニメーション放火事件の犠牲者で「天才クリエイター」とも呼ばれた男性の絵本が、アニメ化されました。

「もともとアニメ化しようと彼も考えていたから」35年前に出版された絵本 

 3月24日、東京都内で“あるアニメ”の完成披露会が行われていました。アニメのタイトルは『小さなジャムとゴブリンのオップ』。主人公は魔法使いの見習い、少年・ジャムです。一人前の魔法使いになるために、ジャムが成長する姿を描いた物語です。

 原作は、ある絵本でした。絵本の作者は木上益治さん(当時61)。2019年7月、京都アニメーションのスタジオが放火された事件の犠牲者の1人です。京アニを育て、天才クリエイターと評された木上さんが、35年前(1989年)に出版したのが、この絵本でした。

 その作品を今の子どもたちに伝えようと、木上さんの死後、元同僚でアニメーターの本多敏行さん(73)らがアニメ化に向け、動き始めていました。

 (本多敏行さん)「見てもらうとわかるんですけど、普通の絵本とちょっと違うところが、もともとアニメ化しようと彼(木上さん)も考えていたから、絵のカット割りもアニメ用に作ってある。当時、テレビ局とかも行って『どうですか』って言ったら、『話はいいんだけど今流行りじゃないから、温めときな』って断られちゃって」

中国のIT企業が支援に!アニメ化に向けた動きが大きく前進

 去年4月、アニメ化に向けた動きが大きく前進しました。中国のIT企業が支援に名乗りをあげたのです。製作陣には「銀河鉄道999」のキャラクターデザインを担当した湖川友謙さん(74)などアニメ界の“レジェンド”らが参加しました。

 (湖川さん)「俺は、これをアニメにするんだったら、アニメ用の世界を作っておかないと絶対面白くない。絵本見れば良いんだもん」
 (本多さん)「やっぱり…なんでしょうね。一生懸命彼が作ったのを俺も知ってるし。なんとなくそこにリスペクトもあるから、どうしてもそうなっちゃう」

 悩んだ末、アニメでは絵本にはなかったジャムが魔法を使うシーンなどを新たに追加することになりました。

 そして、今年1月。製作は大詰めを迎え、声優らによるアフレコが行われていました。

 木上さんのジャムが、アニメの世界で新たに躍動し始めていました。

「『よくやってくれました』って言ってくれるとうれしいな」

 そして、3月24日。完成したのは約17分のアニメ作品。亡くなった木上さんの35年前の「絵本」が新たに「アニメ」として生まれ変わったのです。

 (本多敏行さん)「できれば『よくやってくれました』って言ってくれるとうれしいなと、それはありますよ。『こんなもの作って』『あ、すみません』となるのはちょっと嫌だ(笑)」

 アニメはこの春から中国で公開され、日本でもインターネットでの配信を予定しているということです。

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