<パフォーマンス政治?>「ホワイトアクション」に対する報道とSNSの温度差
メディアゴン / 2021年2月20日 7時40分
水野ゆうき[千葉県議会議員]
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本年3月に千葉県知事選挙、来年度には衆議院議員選挙が行われることから、政治家は普段以上にメディアの報じ方やパフォーマンスに敏感になっている。昨今大きな話題となったのが東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗元会長の女性蔑視と見受けられた発言に「抗議」の意味で、野党女性議員が約20人「白いジャケット」を着て議場へ入った「ホワイトアクション」もそうだ。
実は筆者が所属する千葉県議会においても国会議員によるホワイトアクションの報道後に立憲民主系の女性議員たちが同様のアクションを行い、地元紙などに報じられた。新聞では「抗議」という形でプラス要素で報じられたが、SNSでは真逆の反応が大半を占めていた。
他の政党や会派の言動に口出しするつもりもないが、思わぬ事態が起き、筆者は説明せざるを得ない状況となった。筆者は偶然にも立憲民主党系の女性議員がホワイトアクションを起こした日に白く見えるジャケットを着ており、期せずして記者たちから問われたが、筆者はそういう意図ではないと全く違うということを話し、記事には絶対に筆者の名前を書かないよう念を押した。
そもそも、何故このホワイトアクション自体が国民やSNSユーザーの癇に障るのか。筆者からすると「女性議員」が「女性議員」にこだわりすぎていることを象徴した言動だからに思える。「女性差別」と多く報じられ、それに乗じてパフォーマンスをしているように映ったからではないか。本当に白いジャケットで抗議する気があるのであればその日だけ女性たちで合わせて着てくるのではなく、常々着用しているか、例えば今議会はずっと白いジャケットを着用することなどが考えられるが、そうではない。
[参考]<あるある晩餐会>美人過ぎない議員・水野ゆうきが女性政治家の内情を暴露
登山家の野口健氏が蓮舫議員にツイッターで返信した「何でこんなに嬉しそうなのですか???」という質問がこの問題の本質をよく表している。元グラビアアイドルとしての性なのか、「注目を浴びている!」という表情を隠しきれておらず、浮ついたように見えた。
それに白いジャケットを着用した女性議員から男女共同参画についての質疑は議場であまり聞いたことがない。むしろ、筆者が男女共同参画を一番取り上げていると言っても過言ではないだろう。そもそも筆者は服装などで奇をてらうことは政治家がすることではないと考えている。政策的にもただ女性の数を増やすことには反対の立場だ。あくまでも女性の妊娠や出産等、女性特有の身体的な部分に対する環境整備と配慮を行った上で男女が平等に評価されることが本来のあるべき男女共同参画だと議場でも訴えている。
女性議員が「女性が女性が・・・」と言いすぎることは時にマイナスなのではないか。
「女性の活躍」というのは、これまで身体的なことや固定観念等で機会や仕事を失わざるを得なかった状況を転換し、性差のみならず固定観念・先入観を取り外して、「個」の能力を「公平」に評価することにより、能力や資格のある女性がおのずと社会で活躍し、自動的に数も増えてくる。「女性だけ」で何かをすることで自らが性の壁を作っているのだ。
自然体で良い。議場にて、言葉で訴えれば良い。
本質的なことや政策的なことが一切報じられずにそのパフォーマンスだけが報じられると「だから女性は・・・」と言われかねないことがまさに女性議員の筆者は悔しい。本気で抗議したい、と思って確固たる政策と意思を持ってアクションを起こした議員もいるだろうが、メディアの報じ方やネットで起こりうる反応も考慮に入れて、思慮深い言動が政治家には求められている。
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