1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

株式投資にもある「利回り」の概念、配当利回りに注目した投資で大切なこととは?

MONEYPLUS / 2024年4月17日 7時30分

写真

株式投資にもある「利回り」の概念、配当利回りに注目した投資で大切なこととは?

「利回り」というと、債券や預貯金など比較的、収益性の安定した金融商品に適用される概念というイメージですが、実は株式にも利回りの概念があります。


株式にもある「利回り」

利回りは、一定期間中に生じたインカム収益が、購入時の元本に対して何%になるのかを示す収益率です。それは以前、債券の利回りでも説明したとおりです。総じて、収益性について語られる時、「利回り」が用いられるのは、債券や預貯金などのような、収益のブレが比較的小さな金融商品が中心になります。

でも、実は株式のようなリスク性商品にも、「利回り」の概念があります。

株式投資というと、多くの方は株価の値動きに乗じ、安く買い高く売ることで、その差額を収益にするというイメージで捉えていると思います。いわゆるキャピタルゲインです。

キャピタルゲインは、その株式を買いたいという投資家と、売りたいという投資家との間の需給バランスによって生じます。買いたいという投資家が多ければ、株価は上昇しますし、売りたいという投資家が多ければ、株価は下落します。

もちろん、最終的に株価は、会社の業績、付加価値などが反映されたうえで価格形成されるものですが、目先的には市場心理が強く反映されます。市場全体が強気になれば、買い手が増えて株価は上昇しますし、弱気になれば、売り手が増えて株価は下落します。つまり、キャピタルゲインには、多分に市場参加者の心理が色濃く反映されるため、ある意味、かなり不安定なものになりがちです。

安定収益となる配当金

一方、株式にはもうひとつの収益源があります。それが「配当金」です。

配当金は、株価の値上がり益とは異なり、市場参加者の心理に左右されるようなことはありません。売上から各種経費、ならびに税金を差し引いた後に残された「税引後利益」から、配当金が支払われます。

もちろん企業としては、さらに成長していくために必要な投資も随時、行っていく必要があるので、税引後利益の全額を配当金として支払うわけではありません。税引後利益の一部は将来、必要に応じて設備投資や人材投資を行うのに必要な軍資金として、内部留保に回されます。ざっくりいえば、税引後利益から内部留保として確保する資金を除外した残金が、配当の原資になります。

つまり配当金の額の多寡は、市場参加者の心理とはまったく関係なく、企業の配当政策によって決められます。したがって、キャピタルゲインに比べると、配当金の方が収益としては安定しています。

株式の配当利回りは、年1回の本決算時と中間決算時に支払われる配当金が、自分の投資した株価に対して何%かということで示されます。

仮に1株につき年間120円の配当金を出している企業の株式を、1株3000円で購入した場合、この株式の配当利回りは、

120円÷3000円=0.04=4%

になります。これが2500円の株価で購入した場合なら、配当利回りは4.8%になりますし、株価が3500円なら、配当利回りは3.43%になります。

減配や無配に注意

このように配当利回りは、株価の変動によって上昇、低下を繰り返します。株価は時々刻々と変動しているので、どの株価で投資したのかによって、配当利回りは変わってきます。同じ銘柄でも、投資した時の株価が違えば、配当利回りも違ってくるのです。

ただし、ここは間違いやすいので注意していただきたいのですが、自分が株式を買った時の株価、つまり買付コストは、その後、いくら株価が上下しようとも変わりません。したがって、投資先企業が配当金を買えない限り、得られる配当利回りは不変です。前述の例で言うと、年間120円の配当金が得られる企業の株式を、3000円の株価で買い付けられれば、その後、株価が5000円になっても、あるいは1500円になっても、配当利回りは4%のままです。

とはいえ配当金の原資は、基本的に企業の利益から捻出されるものなので、その企業の業績が悪化した場合などは、見込み通りの配当金が得られなくなるケースも、想定しておく必要があります。業績が悪化した場合には、配当金の額が減らされる「減配」や、あまりにも業績が悪い時には、配当金そのものを中止する「無配」になる場合もあります。

高配当利回り銘柄投資の注意点

では、配当利回りは高いほど良いのでしょうか。これについてはいくつか注意点があります。

まず、配当利回りが高いのは、株価水準が非常に低いことの裏返しでもあります。株価急落が業績悪化要因だとすると、下手をすれば減配や無配になるリスクがあることも、考慮しておく必要があります。

また、高い配当利回りは、その持続性にも注意しておく必要があります。たとえば特別利益が生じた結果、その期だけ大幅増配をするケースがあります。この手の高配当は、その期が過ぎると元の配当水準に戻ってしまい、配当利回りが急低下する恐れがあります。会社創業〇〇周年などによる記念配も同様です。

配当利回りに注目した投資で大事なのは、常に安定的に配当金が出ていることです。今期の配当金をベースにした配当利回りだけに注目するのではなく、過去からの推移を見て、連続増配が続いている銘柄や、常に安定した配当金を出している銘柄の中から、配当利回りの高い銘柄を選ぶようにしましょう。

教育資金や老後資金は失敗できない!あなたが今からできる資産形成の始め方、お金のプロに無料で相談![by MoneyForward]

(鈴木雅光)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください