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あなたの投資の「限界」はどれくらい?自分の「リスク許容度」を把握する3ステップ

MONEYPLUS / 2025年1月11日 7時30分

あなたの投資の「限界」はどれくらい?自分の「リスク許容度」を把握する3ステップ

あなたの投資の「限界」はどれくらい?自分の「リスク許容度」を把握する3ステップ

投資において「リスク許容度」を把握することは非常に重要です。リスク許容度を正しく理解しないまま投資を始めると、想定外の損失に耐えられず、感情的な判断で資産を失うリスクが高まります。一方、リスク許容度を明確にしておけば、自分に合った資産配分や投資戦略を立てられ、長期的な資産形成が可能になります。この記事では、リスク許容度を決めるためのステップや具体例を解説します。


リスク許容度の2つの側面

リスク許容度には、経済的なものと心理的なものの2つの側面があります。

経済的リスク許容度は収入や資産、生活費から判断する客観的なリスク許容度で、自身でポートフォリオを組む際に調整することができます。例えば株であればATR(アベレージトゥルーレンジ)という指標でどのくらい値動きするかを鑑みて決定するなど、事前に考えることもできます。

心理的リスク許容度は、損失に対する感情的な耐性や、ストレスへの強さを指します。2024年には“令和のブラックマンデー”で三井住友フィナンシャルグループのような有名な大型銘柄も、市場環境によってストップ安をつけるような場面もありました。例えばそのような時に「この企業を取り巻く環境や決算が変わったわけではないので一時的な下落なら大丈夫。長期保有すれば戻るはず」と冷静に判断するか、「これ以上下がったらどうしよう…売ったほうがいいかも」と不安になるか、あなたはどちらですか?

心理的リスク許容度が高いか低いかは、ご自身の性格や経験値によって異なります。リスク許容度を正確に決めるには、このような心理的側面と経済的側面を総合的に考慮する必要があります。

では、リスク許容度を決める3つのステップを見ていきましょう。

【1】投資の目的を明確にする

まず、自分が何のために投資をしているのかを明確にすることが重要です。目的によってリスク許容度が変わるからです。

例えば老後資金を作る目的で投資をしている場合、目標達成までの時間が長ければ保有して待つこともできますよね。そのため、リスクを多めに取ることも可能かもしれません。ただし手仕舞いのタイミングが近づくにつれてリスクを抑える必要があります。自分が資金を現金化したいタイミングで市場が上昇しているとは限らないためです。

あるいは子供の教育資金のために投資する場合なら、大学進学時期が10年後であれば最初は高リスク資産を組み入れ、5年以内になったら良きタイミングで高リスク資産を安全資産にシフトしていく…という流れなどを想定しておくと良いでしょう。1~2年以内に使う資金はリスクを抑えるか、短期的に売買していく必要があります。

つまり目的が短期的か長期的かで、どれだけリスクを取れるかが変わる、と考えておくと良いと思います。

【2】失っても生活に影響がない資金を把握する

次に、ご自身の経済状況を確認し、自分が「失っても生活に影響が出ない資金」を把握することが重要です。以下の項目を考慮してみてください。

•月の生活費
•緊急資金(最低3~6か月分の生活費)
•固定収入の有無

例えば月々30万円の固定収入のある30代で、生活費は20万円、貯蓄が500万円あるならば、リスク資産に回せる額は最大で200万円程度でしょうか。ただし最初から全額を投資していくのではなく、少しずつ経験を積んでいくのが良いと考えます。数万円ずつ積み立てに回していく方法も現実的ですね。

一方で、同じ30代で貯蓄が500万円でも、自営業で収入が不安定な場合、すぐ使える現金は多めにあったほうが良いでしょう。リスク資産に回せるのは数十万円程度で、多く稼げた月に投資に回していく方法がいいと思います。資産をすべて投資に回すのではなく、あくまで余剰資金をリスク資産に投じることが重要です。

【3】心理面でのリスク許容度を把握する

次のステップは、心理面でのリスク許容度を把握することです。以下の質問に答えてみてください。
(1)投資金額が20%減少した場合、どうしますか?
A: そのまま保有する
B: 一部を売却する
C: 全額売却する

(2)投資の経験は?
A: 豊富に取引した経験がある
B: あるが、ただ買って持っているだけ、もしくは歴が短い
C: 投資初心者である

(3)資産が急激に増減するのは気になりますか?
A: 全く気にならない
B: 少し気になる
C: 非常に気になる

Aが多い方はリスク許容度が高く、個別株に投資をしたり、成長株や新興国株式を保有することも可能だと考えます。一方でCが多い方は多くのリスクを取るのは現状では難しく、債券や安定型ファンドが適切です。目的を達するために、今の投資資金を利回り高めに運用していかなければいけないのであれば、トレードを学んだり、小額ずつ経験をしっかり積んでいくことが必要でしょう。

投資は「自分自身を知る」ことから

リスク許容度は、時間の経過やライフイベント(結婚、転職など)によって変わります。少なくとも年に1回、自分の資産配分や投資状況を見直しましょう。

自分の許容度を超えたリスクを取ると、感情的な売買をしてしまう、例えば暴落時に慌てて売却し、大きな損失を確定してしまったり、必要資金が投資で減少し、生活に困窮するなど実生活の悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

ご自身の資産を増やすために投資をしたのに資産が減ってしまっては、何のために投資をしているのかわかりませんし、ストレスも抱えることになってしまいますよね。投資のリスク許容度を決めることは、成功する投資を実現するための第一歩です。自分の経済状況、目的、心理的耐性を客観的に分析し、それに基づいた投資戦略を立てることで、安心して資産形成に取り組めます。投資は「自分自身を知る」ことから始まります。焦らず一歩ずつ、ご自分に合ったリスクとリターンのバランスを見つけてください。

この連載が少しでも皆様の投資の参考になれば幸いです。

投資管理もマネーフォワード MEで完結!複数の証券口座から配当・ポートフォリオを瞬時に見える化[by MoneyForward] ※本記事は投資助言や個別の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

(三井 智映子)

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