モーターサイクルと触媒:厳しくなる排気規制にどう対応して魅力を維持していくか
MotorFan / 2019年5月1日 8時55分
高回転高出力を魅力のひとつとするモーターサイクル用エンジン。エンジンの挙動にライダーが敏感であり、商品性に直結するからこそ、フィーリングの追求には余念がない。そうした状況において、エミッションとのパフォーマンスはどのように両立しているのだろうか。ヤマハ発動機のエンジニア諸氏に訊いた。 TEXT:高橋一平(TAKAHASHI Ippey)
二輪車においてNOxの規制が本格化したのは2006年のこと。欧州でEURO3規格が導入され、それに準ずるかたちで日本国内でも「平成18・19年規制」を施行、NOx排出量はそれまでの0.3g/kmから0.15g/kmと、大幅に削減が求められることとなったのだ。
これ以前の二輪車では、ほとんどの場合、現在の自動車に用いられている三元触媒のような後処理装置を持たず、持っていたとしても排気管への二次空気を導入するエアインダクション、もしくはそれに酸化触媒(二元触媒)を組み合わせた、HCやCOの処理を目的としたものだった。NOxについては、ほぼ後処理なしでクリアできる程度の規制値だったのだ。
そもそも、一般的な自動車と比較すると、走行性能を成立させるうえでの必要最低限の要素だけで構成されると言っても過言でない、シンプルでコンパクトな二輪車では、装備の追加が容易ではないという事情があった。キロ単位はもちろんのこと数百グラム単位の重量追加でも、その場所によっては操縦性と安定性能に大きな影響を及ぼしてしまう。
さらには三元触媒に不可欠ともいえる空燃比制御に必要な電子制御インジェクションも2000年代に入ってようやく普及と、規制しようにも技術的な問題も少なくなかった。
卵が先かニワトリが先かという側面もあるが、2006年という時期はさまざまな要素が熟したタイミングでもあった。特に技術的な制約というよりも、コスト上の都合もあってインジェクション化の波が最後に訪れた原付などの小型クラスでは、この時期を待たずに前述の規制をクリアすることは現実的に不可能だったはずだ。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
どれだけ知ってる? 教習所で教わらないバイクTips 第44回 もう30km/h規制ともサヨナラ! 50ccバイクを125ccクラスに格上げする方法とは?
マイナビニュース / 2024年5月23日 16時0分
-
長城汽車が二輪車事業に進出、ホンダなどの海外メーカーが大型二輪事業を強化へ―中国
Record China / 2024年5月20日 9時30分
-
バイクは今、400ccが熱い? 続々登場の新モデルについて考える
マイナビニュース / 2024年5月8日 11時30分
-
インディアン「ロードマスターリミテッド」はバイクの域を超えた快適性能! 後部座席はお姫様ダッコ以上!?
バイクのニュース / 2024年5月7日 7時10分
-
逆回転クランクで路面に吸い付く!? イタリアの走る宝石は実力も第一線級!! MVアグスタ「スーパーヴェローチェ98」に試乗
バイクのニュース / 2024年5月1日 12時10分
ランキング
-
1ベーコンを冷凍すると「くっついちゃう」という方へ…この方法なら大丈夫!ニチレイフーズが紹介する裏ワザ
まいどなニュース / 2024年5月27日 16時30分
-
2この筋肉を使うだけで脂肪がガンガン燃える…スラっとした体型の人が「毎日1分間だけ」やっていること
プレジデントオンライン / 2024年5月27日 9時15分
-
3「ガムテープ」も駆除に有効、白い洗濯物には注意 各地で大量発生するカメムシの対処法は
産経ニュース / 2024年5月27日 13時45分
-
4日産「新型ノート“SUV”」世界初公開へ! まさに「小さな高級車」な豪華仕様! 精悍グリル採用の「AUTECH CROSSOVER」どんなクルマに?
くるまのニュース / 2024年5月26日 6時10分
-
5若返りも期待「夕食後16時間は食べません」医師が実践する食事法で腸内環境が改善
週刊女性PRIME / 2024年5月27日 6時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください