トヨタ自動車:ビッグデータを活用したペダル踏み間違い時の「急アクセル時加速抑制機能」を開発、本年夏に導入
MotorFan / 2020年2月4日 12時15分
トヨタ自動車は、コネクティッドカーから得られたビッグデータに基づき、ペダルの踏み間違いによる異常なアクセル操作を特定し加速抑制を行う「急アクセル時加速抑制機能」を開発した。トヨタはこの機能を、本年夏に発売する新型車から順次導入するとともに、この機能が入った、既販売車種向けの後付け踏み間違い時加速抑制システムを同時期に商品化する予定。
トヨタはこれまで、ペダル踏み間違いによる事故の抑止・被害軽減のため、新型車には2012年からインテリジェントクリアランスソナー(ICS)を導入し、現在では32車種*、83%の車両に搭載している。また既販売車種向けには、2018年から後付けの踏み間違い時加速抑制システムを発売し、現在では12車種に対応、約20,300台(19年12月末時点)に装着されている。これらの装置は、センサーで検知できるクルマや壁などの障害物がある場合の踏み間違い事故に対応している。一方、このほど開発した機能は、障害物のない状況でも異常なアクセル操作時に加速を抑制することを狙いとしている。
今回の技術開発にあたり、まず実際の踏み間違い事故発生時に、アクセルペダルが全開で踏まれた状況を分析した。そしてその踏まれ方の特徴を、コネクティッドカーから得られたビッグデータと照合。右折時や一時停止後など、ドライバーが実際に急加速を必要とする状況を除くことにより異常なアクセル操作状況を特定して割り出し、障害物がなくても加速を抑制する設定とした。
参考情報
Toyota Safety Senseは、日米欧で発生した事故データに基づき、重大死傷事故の回避・被害低減に効果が見込める3つの主な機能(衝突被害軽減ブレーキ・プリクラッシュセーフティ≪PCS≫、レーンディパーチャーアラート≪LDA≫、オートマチックハイビーム≪AHB≫)を取り入れ2015年に導入を開始した予防安全パッケージである。
導入以降、トヨタは「交通事故死傷者ゼロ」に向け、Toyota Safety Senseを「死傷事故への適応性拡大」と「一層の普及」というふたつの方向性で進化させてきた。
・ 2017年末には日米欧のほぼすべての乗用車に導入を完了した。
・ 2018年に導入を開始した第2世代では、センサーの認識能力を高めることで、夜間の歩行者や昼間の横断自転車の検知を可能とした。また、レーントレーシングアシスト(LTA)を採用し、高度運転支援機能を強化した。なお、2月に新発売する新型Yarisからは、交差点での右折時に直進してくる車両、右左折時に前方から来る歩行者を検知し、衝突回避・被害軽減を図る交差点事故対応PCSを採用している。
そして「普及」の観点では現時点において国内累計で430万台、グローバルでは世界108の国と地域において、累計1,600万台以上の車両に搭載されている実績がある。
更に、「死傷事故への適応性拡大」の観点から、更なる機能のステップアップを図っていく。具体的には、2017年、Lexus LSに導入した先進安全技術パッケージLexus Safety System +Aで採用した機能のなかのいくつかを追加したToyota Safety Senseに本年内に導入する予定である。以下の3つはその代表的なものだ。
新型Yarisに設定した高度駐車支援システムAdvanced Parkは、車両の360°全周監視を行い駐車スペースを検知し、システムがステアリング、アクセル、ブレーキを制御することで、精度よく、スムーズで安心感の高い駐車を実現する。
分かりやすいインターフェースと簡単な操作方法により、駐車が苦手な人にはもちろん、苦手意識を持っていない人にも有用。また、駐車機能作動中に必要なのはシフト操作のみであり、万が一アクセルペダルに触れた際には車両を停止させるなど、安心な設定としている。
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