1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

企業における自動化のこれまでとこれから - RPAからAIまで 第5回 業務自動化が浸透しない企業、共通点とその解決策とは

マイナビニュース / 2024年4月9日 10時5分

画像提供:マイナビニュース

企業において生産性を高め、競争優位を獲得するために必須となるのが業務の自動化だ。多くの企業にとって、重要性がますます高まりつつある自動化への取り組みであるが、うまく進められている企業もあれば、そうではない企業もある。

両者の違いはどこにあるのか。第5回では、自動化が浸透しない企業の共通する課題は何か、そして、それらをどう解決していけばいいのかについて解説する。
自動化が進む企業と進まない企業の二極化

業務を自動化するには、前提として「業務のデジタル化」が重要だ。ところが、実際はデジタル化できている企業とできていない企業の二極化が進んでいる。

しかも、業務のデジタル化ができているとうたっていても、取り組んでいるのは「紙の会議資料をPDFにしてペーパーレス化を図る」といった単純なデジタル化にとどまっていることが多い。業務のあり方やビジネスモデルを変革し、市場競争力を高めるような本来の意味でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を意識した取り組みにはなっていない。

こうした状況で自動化を図ろうとしても、その効果は「単発の業務の効率化」と、自動化の効果が局所的にとどまってしまうのだ。そこで、業務全体を俯瞰し、経路依存をなくし、再構築しながら、全体最適の視点で適切な業務プロセスに自動化を適用することが大切になる。

企業内の「市民開発者」を中心に、IT部門のメンバー以外が先に立ってボトムアップ型で自動化を進めていくパターンもあるが、その場合、自動化の成果が出た際には、他部署メンバーや経営層にアピールし、企業全体の取り組みとして合意を取ったうえ、トップダウンで全社へ号令を出してもらうことが必要だ。そうすることで、自動化が企業全体に浸透していく。

このような体制を進めていくには、何が必要だろうか? 過去、企業内に自動化を浸透させることに成功した例を調べると、以下のようなことを行っている。

特定の部署・業務で成果が得られた方法の横展開を実践。まずは自動化対象に汎用性の高い業務やコア業務を選び、着実に成果を上げていく。
自動化を通して特定の経営課題が解決できることを社内・経営層にアピールし、他の部門への展開を試みる。
自動化などの「デジタルスキル」を社内の人材育成プログラムや人事評価に組み込み、昇格や昇給の対象とする。自動化ツールの利用者が気軽に質問できる社内コミュニティをSlackやTeamsなどのチャットツールなどで立ち上げ、CoE(センター・オブ・エクセレンス)メンバーによるサポートを行う。
もくもく会(開発者同士で作業を行う勉強会)のような交流の場や、自動化コンテストを立ち上げた企業もある。また、ベテラン人材のリスキリングの機会として自動化ツールのトレーニングを提供し、DXの最前線で活躍してもらうといった取り組みも実際に行われている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください