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日本でしかありえない企画展!? 「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」-ルシウスが案内する2つの国の入浴文化

マイナビニュース / 2024年4月8日 12時33分

画像提供:マイナビニュース

東京・汐留のパナソニック汐留美術館で、企画展「テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本」が始まりました。ヤマザキマリさんの漫画『テルマエ・ロマエ』によって、古代ローマの公共浴場「テルマエ」の名称は“平たい顔族”日本人にもなじみ深いものですが、本展は無類のお風呂好きだったと言われる古代ローマの人々の生活や文化を、ナポリ国立考古学博物館所蔵の絵画や彫刻、考古資料を含む100件以上の展示品を通して体感するもの。

○■ルシウスが案内する、浴場文化に特化した古代ローマ展

「パンとサーカス」という言葉があるように、無償の食糧と、競技や剣闘士試合などの見世物、つまり娯楽を提供して大衆の不満をガス抜きするのが、歴代のローマ皇帝の施策でした。皇帝はふんだんな富をテルマエに注ぎ、大衆は楽しみを享受する。裸であるためさほど身分差を感じないテルマエは、一流の美術品が楽しめる場所でもありました。ローマ市内には大規模なテルマエがいくつも建設され、人々は仕事のあとにテルマエに通って癒しのひとときを過ごしたそう。

『テルマエ・ロマエ』では、古代ローマの浴場設計士・ルシウスが現代日本の銭湯にタイムスリップし、驚きながらも技術やアイデアを古代ローマに持ち帰って浴場文化を改革していく姿がユーモラスに描かれました。古代ローマ人と現代の日本人が、時空を超えて“お風呂愛”で共通することを、この作品で知った方も多いはず。本展ではルシウスの案内で、テルマエと日本の2つの入浴文化をたどっていきます。

○■運動、社交、癒し、美術鑑賞……テルマエは娯楽の総合施設

ローマ市で最初のテルマエは、初代皇帝アウグストゥスの右腕アグリッパによって、紀元前25年に建設された「アグリッパ公共浴場」。新たな水道の建設や高度な建築技術によって、サウナ風呂から大規模公共浴場に発展し、浴場の西側には人工池と水路と森も造設。アグリッパはまた、入浴客が美術を楽しめるよう優れた彫刻を飾ったそうで、そうした大規模なテルマエには大理石彫刻が数多く飾られ、時の皇帝や神々の像、さらに古代ギリシャの有名作品のコピーが並び、床や壁や天井といった建物自体にも壮麗な装飾が施されていました。

今でも遺構がよく残っているのが、216年のカラカラ帝の治世にローマ市郊外に造営された「カラカラ浴場」。浴場の建物だけで幅220メートル、奥行き114メートルにも及ぶこの巨大な施設は、1度に1,600人もの入浴客が利用できたほど。展示の冒頭で、アグリッパとカラカラ帝の胸像が登場するのですが(《アグリッパ胸像》はレプリカ)、実はこの2人、石膏のデッサンで登場することが多く、美術をやっている人にはおなじみの顔なのだとか。

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