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大河原克行のNewsInsight 第281回 HPのもうひとつの柱「プリンティング」、デジタル化と3Dにチャンスあり - 日本HP 岡戸社長に訊く(後編)

マイナビニュース / 2024年4月24日 17時19分

―― 3Dプリンタでは、最終製品に利用する造形の活用が進んでいますね。

岡戸:日本でも、トヨタ自動車が、LEXUS LC500のオートマチックトランスミッション(AT)オイルクーラーのダクトに、HP Jet Fusionシリーズで製造したした3Dプリント製品を採用していています。国内自動車メーカーが、純正部品に3Dプリンタを採用したのは、初めてのケースです。また、海外では、GMやフォルクスワーゲン、ロレアルなどが、3Dプリンタの造形物を利用しており、米スポーツシューズブランドの「Brooks」では、3Dプリンタで造形したソールによる高機能ランニングシューズを商品化しています。そのほかに、眼鏡のフレームづくりに活用するといった事例もあります。2024年は、日本においても、最終製品の製造を支援することに注力します。

―― ただ、3Dプリンタで作ったものを最終製品に利用する際に、堅牢性や耐久性などの点で、大丈夫なのかといった見方もあるのではないでしょうか。

岡戸:確かに、その点での理解を深める活動は大切だと思っています。とくに、日本の企業は品質や安心、安全を重要視しますから、品質面においても安心であるということを啓蒙していくことが、より大切になります。ただ、製造業には、これまでのモノづくり手法が根強く残っていますが、それを否定するのではなく、新たな付加価値が生まれることを訴求したいと考えています。3Dプリンタは、いままでできなかった造形が実現できたり、金型を作る必要が無くなったりといったように、大きな転換を促す技術です。3Dプリンタができることはなにか、そのメリットはなにかということをしっかりと訴求することは大切であり、安全面と、付加価値面の双方のメリットを伝えていきます。また、これまではコスト面や量産面での課題がありましたが、それも解決できる段階に入ってきました。新たなHP Jet Fusion 5600シリーズでは、パラメータの設定などにより、品質のばらつきを低減でき、作業者がいなくても次の造形を自動で開始する機能を搭載し、生産性を大幅に向上しています。3Dプリンタによる最終製品の製造を検討しているお客様に対して、製造ノウハウを提供するプロフェッショナルサービスのメニューも拡充する予定で、日本HPに相談をしていただければ、お客様のこれまでのやり方や保有する資産などを前提に、どこから3Dプリンタを活用すれば効果が高いのかといったことをご提案できます。日本の企業が安心して3Dプリンタを活用できる環境を実現していきます。

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