『心はロンリー』40年経っても変わらない“自分たちが面白いものを” 三宅恵介氏が込めた思い「テレビもまだまだ」
マイナビニュース / 2024年4月27日 6時0分
「例えば新選組のコントがあって、セットに『誠』という掛け軸があるんだけど、よく見たら『誠ちゃん』って書いてあるわけです。それに気づいた人が“分かった!”と面白がってくれて、そこから伝達していくんですよね。だから、誰でも見て分かるギャグは6割、残りの4割を分かりにくいギャグというバランスを考えていました」
この精神をより先鋭化させた『心はロンリー』。前回から21年ぶりの放送となるだけに、その世界観に親しみのない視聴者が増加していることも考慮して、「なるべく分かりやすくはしています」というが、「やっぱり“あれ気づかなかったでしょ?”って言いたいよね(笑)」と、難易度の高いギャグを忍ばせている。
伏線を幾重にも張った複雑なミステリーとは正反対のドラマだが、「分かりにくいギャグ」はもしかすると、SNS時代になって発達したドラマの「考察視聴」とマッチする可能性を秘めているのかもしれない……(?)
●川口春奈&吉田羊に感じたさんまとの相性の良さ
『心はロンリー』を、「明石家さんまさんにしかできない“バラエティドラマ”」と表現する三宅氏。「さんまさんは、『男女7人(夏/秋物語)』(TBS)をはじめドラマもやって、バラエティもやってるので、その役から逸脱しないで自分自身も表現できるんです。だからシリアスなシーンでも、スッと笑いを入れることができる。そんな『心はロンリー』みたいな番組を、ほかの芸人さんで誰ができるかなと考えても、なかなか難しいなという気がします」と捉える。
そうした中、今作で娘役を演じる川口春奈と、元妻役を演じる吉田羊には、最初の段階でさんまとの相性の良さを感じた。
「役者さんは笑いのところをあえて立てたり、セリフを置きにいく人が多いんです。でも、さんまさんは置きにいかない自然な笑いが好きで、川口さんと吉田さんもそうやって演じていました。だから、すごく間が合うのを感じましたね。それは大竹(しのぶ)さんとも同じ空気感なので、さんまさんも随分触発されたと思います」
○フジテレビ全盛期を思い出す制作体制
かつてはバラエティのスタッフを中心に制作していた『心はロンリー』だが、今回はドラマ制作のスタッフが助監督として参加している。それは、バラエティ部署に『心はロンリー』を経験しているスタッフがほとんどいなくなったことに加え、働き方改革や、制作における作業が大幅に増えたという事情があることが理由で、「昔より関わってる人数は3倍多い」と明かす。
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