大河原克行のNewsInsight 第300回 パナソニック「キッチン空間事業」の反転攻勢、家電低迷の日本市場でも成長描く
マイナビニュース / 2024年6月18日 16時18分
パナソニックのキッチン空間事業が、成長戦略に舵を切る。パナソニック くらしアプライアンス社常務 キッチン空間事業部長の太田晃雄氏は、「2024年度は、キッチン空間事業にとって、反転攻勢の1年になる」と意気込む。
国内白物家電市場全体の低迷傾向が続くなか、パナソニックのキッチン空間事業も厳しい状況が続いていたが、その間、部品調達から生産、出荷に至るまでのSCMの強化や、モノづくりにおけるECM改革、指定価格による新販売スキームの導入、データを活用した新サービスの創出など、様々な取り組みを実施し、その成果がいよいよ表面化するフェーズに入る。そして、ビルトイン家電の強化とともに、新たな業態や新たなチャネルでの販売拡大も目指すことになる。「反転攻勢」を掲げる太田事業部長に、パナソニックのキッチン空間事業の取り組みについて聞いた。
2024年度が「反転攻勢の1年になる」その要因
パナソニックのキッチン空間事業は、食品保存から後片付けまで、家庭での食に関わる動線を、ほぼ網羅する商品群をラインアップしているのが特徴だ。
具体的には、「保存」の領域では冷蔵庫、「調理」では炊飯器、電子レンジ、調理小物家電、IHクッキングヒーターを展開。「後片付け」の領域では食洗機を市場投入している。
パナソニック くらしアプライアンス社常務 キッチン空間事業部長の太田晃雄氏は、「食を通じたウェルビーイングを実現するのが、キッチン空間事業の役割である」と定義する。
そして、太田事業部長は、「2024年度は、キッチン空間事業にとって、反転攻勢の1年になる」と位置づける。
キッチン空間事業の2023年度の売上高は前年割れになっているが、四半期ごとにみると、第4四半期(2024年1月~3月)には前年実績を上回り、プラス成長に転じている。その動きも「反転攻勢」を裏づけるものになりそうだ。
「反転攻勢」には、いくつかの要因がある。
外部要因としては、コロナ過での巣ごもり需要の追い風は受けたキッチン家電は、しばらくはその反動と、外向け需要の拡大で厳しい局面が続いていたが、それが徐々に回復基調にあることが見逃せない。
また、冷蔵庫では、エコポイント制度によって導入された商品の買い替えが本格化するタイミングに入ることから、これも需要を後押しする要因になる。
一方、内部要因としては、実需と連動したSCM(サプライチェーンマネジメント)改革や、モノづくりにおけるECM(エンジニアリングチェーンマネジメント)改革を推進。その成果がいよいよ表面化しようとしている。
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