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大河原克行のNewsInsight 第300回 パナソニック「キッチン空間事業」の反転攻勢、家電低迷の日本市場でも成長描く

マイナビニュース / 2024年6月18日 16時18分

キッチン空間事業において、主力商品となるのが冷蔵庫である。

太田事業部長は、冷蔵庫事業を、2030年度までに1.5倍に拡大する計画を新たに打ち出した。

「国内外ともに1.5倍に伸ばしていく。これは実現可能な数字である。とくに、国内市場ではさらにシェアを伸ばし、ナンバーワンからダントツナンバーワンを目指す」と語る。

2021年度に国内トップシェアだった冷蔵庫は2位に落ちたが、ここにきて1位に復帰。さらなるシェア拡大を目指す。

「かつては約25%のシェアを持っていた時期もあった。過去最高シェアを超えることを目指したい」と意気込む。

冷蔵庫の国内シェア拡大に向けた「狼煙(のろし)」ともいえる商品が、「CVタイプ」である。「冷蔵庫AIカメラ」を新たに搭載し、「Live Pantry」アプリとの連携により、外出先から冷蔵室や野菜室、冷凍室の庫内画像を確認できるため、買い忘れやダブリ買いを減らすほか、AIが野菜を自動認識して、日持ち目安に応じて、先に消費した方が良い野菜を特定し、その野菜を使ったレシピを提案。野菜を新たに入庫すると、登録日から利用期限目安を算出して、リストに反映するといったこともできる。食材を新鮮なうちに使い切ることをサポートし、フードロス対策にもつながるのが特徴だ。

太田事業部長は、「国内および海外メーカーが冷蔵庫に搭載したAI機能よりも優れたものになっており、レシピ提案は世界初である」としながらも、「AIだけで勝ち切れるとは考えていない。AIは、使い勝手をよくしたり、フードロスを解決したりといった用途で活用していくことになる。パナソニックは、基本性能である冷蔵技術や冷凍技術を極めていく。庫室ごとに異なる温度で制御する技術はパナソニックが世界トップクラスであり、そうしたところで勝ちたい」とする。

その一方で、海外向け冷蔵庫の成長戦略では、グローバル標準コストの適用を推進することに触れ、インドやインドネシア、ブラジル、中国といった市場が成長する場所に、冷蔵庫の生産拠点を持っている強みを生かして、シェア拡大と事業拡大を目指すことになる。

「パナソニックの冷蔵庫は、味を維持するための保存庫ではなく、味を良くする調理のための冷蔵庫を目指している。だからこそ、冷蔵庫をキッチン空間家電の重要な商品に位置づけている」とする。

一般的には、調理家電のなかに冷蔵庫は含まないが、パナソニックはその概念も変えようとしている。
まずは国内市場での成長を優先、ビルトイン家電への挑戦も

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