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大河原克行のNewsInsight 第300回 パナソニック「キッチン空間事業」の反転攻勢、家電低迷の日本市場でも成長描く

マイナビニュース / 2024年6月18日 16時18分

「欧州では3~4割の家庭でビルトイン家電の使用されており、そこでは、洗練されたキッチン空間が実現されており、冷蔵庫などを含めて、収まりがいい環境となっている。日本でも同様のニーズがあると考えている」と語る。

太田事業部長の直下に、キッチン空間プロジェクトを設置。モノづくりとともに販売体制の確立にも乗り出しているところだ。

「ビルトイン家電の販売力を最も発揮できるのは日本である。これまでは海外市場を中心にビルトイン家電に取り組んできたが、今回は、日本からビルトイン家電を拡大させる方針を打ち出した。それがこれまでの取り組みとは異なる」と語る。だが、「日本のキッチン空間の文化を変えるほどの取り組みになる。10年の計でやっていく必要がある」とも語る。

ビルトイン家電のラインアップについては、具体的に発表はしていないが、2023年12月には、フロントオープンタイプのビルトイン食洗機を発売。同タイプの食洗機は、パナソニックとしては、22年ぶりの投入となった。2025年度以降には、ビルトイン家電の品揃えを徐々に進めていくことになりそうだ。

新たなモノづくりとともに、新たな業態や新たなチャネルでの販売強化も進める。ビルトイン家電は、システムキッチンの販売ルートや住設ルートなども、今後は重要な販路になると見られ、キッチン空間全体トータル提案できる強みを生かしながら、販売協業を進めていくことになりそうだ。

太田事業部長は、「いまある販売ルートから、多様な販売が行える体制へと変化させていく」と、販路拡大に向けた姿勢を示した。
「冷蔵庫のテスラを目指す」新規事業への取り組み

太田事業部長は、新規事業への取り組みについても言及した。

京都大学大学院工学研究科化学工学専攻の中川究也准教授との共同研究で開発を進めている「常圧凍結乾燥技術」では、同技術を活用した「未来の食プロジェクト」を開始。2023年3月から、第1弾として、料理を科学する料理作家KYOTO SNT LAB.とともに乾燥食品のプロトタイプを完成させるなどの取り組みを開始している。

「この1年間で、多くの問い合わせがあった。今後は具体的に協業を進め、量産化するための技術の確立にも取り組みたいと考えている」とする。

さらに、「凍結だけでなく、解凍に対する関心が高まっている。電子レンジでの解凍だけでなく、最先端技術を活用することで、解凍がどこまで進化させることができるのかといったことにも挑戦し、食の世界に貢献したい」と語る。

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