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大河原克行のNewsInsight 第300回 パナソニック「キッチン空間事業」の反転攻勢、家電低迷の日本市場でも成長描く

マイナビニュース / 2024年6月18日 16時18分

キッチン空間事業では、まずは国内市場での事業成長を優先させるという。

冷蔵庫に加えて、好調なIHクッキングヒーターや、独自の商品企画が評価されている食洗器を加速する一方、一時的に国内シェアを落とした電子レンジや炊飯器の巻き返しも図る。

「電子レンジでは、付加価値モデルのビストロの提案を強化し、炊飯器ではこれまでのフラッグシップを超える提案とともに、コスト競争力を高める。無駄な機能を削り、求められる機能を搭載していくことにもこだわる。炊飯器については、2024年度下期から中国生産によるメリットが徐々に生まれることになる。キッチン空間事業全体で、商品と価格を徹底的に鍛える」と述べた。

また、機能を絞り込んだ家電でも成果をあげており、この取り組みにも引き続き注力する。「シンプルな機能であることや、容量は小さくても高い性能を持つものが求められており、そうしたニーズにあわせたモノづくりも進めていく」という。

炊飯器では、2合炊きの自動計量IH炊飯器を発売。無洗米と水を入れておけば、計量や投入、炊飯までを自動で行い、遠隔地からも操作ができるという点が受けている。また、食洗機でも、一人暮らし世帯を対象にしたパーソナル食洗機「SOLOTA」により、新たな需要層を開拓。「想定した若年層だけでなく、シニア層からも高い評価を得ている。食洗機は普及率が低いが、節水や電気代の削減、家事の時間も開放するというメリットが広がりつつある」としている。

さらに、2024年4月からスタートしたリファービッシュ品である「Panasonic Factory Refresh」においても、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器を対象に展開。ウェブを通じた販売を進めることになる。これも、将来的には、キッチン空間事業全体の売上拡大に貢献すると見込んでいる。

キッチン空間事業において、今後、重視していく取り組みのひとつが、ビルトイン家電である。

太田事業部長は、「ビルトインのIHクッキングヒーターや食洗機、レンジフード、オーブンレンジなどの品揃えの強化を進める。パナソニックならではのビルトイン家電を提案したい」と語る。

パナソニックでは、これまでにもビルトイン家電に何度か取り組んできた経緯がある。だが、特定の商品に限っていたため、トータル提案ができなかったり、海外市場の一部に限定したり、ビルイトン家電の販売力がなかったりといった課題があり、成功にはつながらなかった。

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