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大河原克行のNewsInsight 第300回 パナソニック「キッチン空間事業」の反転攻勢、家電低迷の日本市場でも成長描く

マイナビニュース / 2024年6月18日 16時18分

たとえば、2024年5月から発売した冷凍冷蔵庫「CVタイプ」では、カメラ画像から野菜をAIで認識し食材管理をサポートする機能が注目を集めているが、ECM改革による試作レスを推進したり、これまでドラム式洗濯乾燥機が中心だった実需連動SCMの対象に同製品が加わったりしている。

また、くらしアプライアンス社で推進しているグローバル標準コストも、国内向け冷蔵庫やオーブンレンジに採用。中国におけるモノづくり手法を採用し、価格競争力を持った製品投入を今後進めることになる。

同社によると、今後5ドア冷蔵庫では、パナソニックの強みとなる機能に特化した引き算の商品企画を採用。自社品質基準の改定や、グローバル標準部材の採用により、冷却システム仕様の見直しや多重安全設計の最適化を実現するという。また、部品調達においては、グローバル最安サプライヤーを日本市場にも活用。2024年度に発売する商品ではは原価を20%削減することができると見積もっている。

さらに、2023年度には炊飯器の生産拠点を、兵庫県加東市から中国・杭州へと移管。それにかかる費用が2024年度には無くなることもプラスに働く。

こうした取り組みの成果により、「2024年度下期以降は、競争力を持った商品の連打が始まる」と語る。

加えて、パナソニックが先行してきた指定価格制度による新販売スキームの定着にも自信をみせる。

「新販売スキームの開始当初は、メーカーが価格を決めることに対する抵抗感が一部にはあったが、いまでは販売店の理解を得ることができている」とする。

販売店の粗利が増え、在庫負担がなくなることでキャッシュフローの改善にも貢献するなど、メリットが浸透してきたことが、この変化につながっている。

同社によると、オーブンレンジは新販売スキームによる販売金額比率が45%以上となり、冷蔵庫では30%~45%となっている。炊飯器は30%以下だが着実に浸透しているようだ。

「冷蔵庫では400L以上の15品番のうち、10品番を新販売スキームで展開する。指定価格は、商品に魅力がないと購入してもらえない。魅力ある商品づくりとセットで、新販売スキームをさらに定着させていく」と語る。

これも、キッチン空間家電の反転攻勢につながるというわけだ。

一方で、太田事業部長は、「懸念事項をあげるとすれば、中国の景気動向の影響。4月までの状況は決して良くはない。今後の動向を注視しておく必要がある」と、中国の市場動向に目を光らせる。
冷蔵庫を「ナンバーワン」から「ダントツナンバーワン」へ

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