1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

「Lunar Lake」Deep Diveレポート - 【Part 1】P-Core&E-CoreとPackageについて

マイナビニュース / 2024年6月29日 12時31分

画像提供:マイナビニュース

既報の通り、IntelはLunar Lakeこと次世代Core Ultraの詳細をCOMPUTEXのタイミングで公開した。こちらについて、Intelの資料を基にもう少し掘り下げてご紹介したいと思う。
Package

先の記事にも、ASUSのZenBookの基板に搭載されたLunar Lakeの写真があったが、これの別スナップ(撮影は同じく笠原光氏)をもう少し拡大したのがこちら(Photo01)。パッケージ全体はかなり正方形に近いが、微妙に縦長である(幅27mm×高27.5mm)。Lunar LakeもMeteor Lake同様にFoverosを利用したChiplet構成であるが、Meteor Lakeと異なりLPDDR5Xもパッケージに積層する関係で高さが合わない。Meteor Lakeの周囲にあるシルバーのメタルガイドは、恐らくこの高さの差を埋めるためのものと思われる(Photo02)。

P-Core

Lunar LakeはP-Core×4+E-Core×4という構成であるが、まずそのP-Core。大きな変化はHyper-Threadingの無効化である。Hyper-ThreadingはP-Coreの場合、一般に30%のIPC(またはThroughput)向上が見込める半面、20%の消費電力増加につながる、とする(Photo03)。そこでP-CoreのHyper-Threadingを無効化(というか、削減)したことで、性能/消費電力比などの改善に繋がった(Photo04)としている。当たり前の話として、Hyper-ThreadingというかSMTを有効にすると、当然実行ユニットの利用効率が上がるから、性能は上がるけど(同時に動作する実行ユニットの数が増える分)消費電力も増える。で、SMTを無効化すればトータルの性能は落ちるが、逆にSingle Threadで考えた場合にはこれまで取り合いになっていた実行ユニットを常に自分で独占できる訳で、その分性能は多少ながら向上する。そしてこれはAlder Lake以降のIntelのアーキテクチャでは顕著であるが、本来Hyper-ThreadingというかSMTの対象として利用されやすい「雑多な軽い処理」は、Thread Directorを使って優先的にE-Coreに振り分けされる傾向にある。なので、P-Coreで処理するプログラムがMulti-Threadedなものであれば効果があるが、Single-ThreadedなプログラムであればHyper-Threadingでの効果は得られにくい。後述するように、Lunar LakeはSnapdragon X Eliteを仮想的にしている節があり、少しでも待機時消費電力を減らしたいというニーズが強い。その一方でプロセッサ性能の方は、Single Thread性能が上げられれば、Multi-Thread性能の方はE-Coreとの合わせ技でカバーできる。なるほどSingle-Thread Onlyになるのも無理もないところである。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください