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「Lunar Lake」Deep Diveレポート - 【Part 1】P-Core&E-CoreとPackageについて

マイナビニュース / 2024年6月29日 12時31分

さて、本来P-CoreからHyper-Threadingを無効化しても、そこで10%を超えるようなエリア削減は難しい「筈である」。実際Hyper-ThreadingというかSMTを有効にしたところで、そこで別々に管理するリソースはそう多くない。PC(Program Counter)を始めとしていくつかのレジスタ類は二重持ちする必要があるだろうが、殆どのレジスタ類はSMTを有効にした際にそれがどちらのThreadのモノなのかを明確にするために1bitの管理bitを追加する程度で済むはずだからだ。ただ実際はSMTで性能を出そうとすると、レジスタ類の増量が必要になる。例えばROB(Re-Order Buffer)、Single Threadで100エントリあるとすれば、SMTの場合は200とは言わないまでも150位にしておかないと、ここがボトルネックになる可能性がある。こうしたものを全部Single Threadに最適化してゆくと、相応の面積削減にはなるだろう。今回IntelはLion CoveはHyper-Threadingを無効化したのではなく、削除したと明確に説明している。恐らく論理設計レベルではSMTを有効化できるオプションはまだ残しているだろう。ただそれを物理設計に移す段階で、SMT削除を行い、冗長なレジスタ類を排除しているのが面積削減に繋がっているものと思われる。このLion Coveは次のArrow Lakeでも使われるらしいので、こちらもHyper-Threadingが無効化されている可能性は大きい。

さてそのLion Coveそのものについて。P-Coreのアーキテクチャは

Alder Lake:Golden Cove
Raptor Lake:Raptor Cove
Meteor Lake:Redwood Cove
Lunar Lake:Lion Cove

という具合に変わっているが、Golden Cove/Raptor Cove/Redwood Coveは基本的には同一アーキテクチャであり、Golden Cove→Raptor Coveの差はL2キャッシュ容量(1.25MB→2MB)でしかないし、Raptor Cove→Redwood Coveは命令L1キャッシュ容量(32KB→64KB)の違いに留まる(細かいBug Fixなどは除く)。これに対してLion Coveは"Overhaul microarchitecture"とある(Photo05)様に、比較的大きく手が入っている。まずFront End。

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