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「Lunar Lake」Deep Diveレポート - 【Part 2】Memory、GPU、NPUについて

マイナビニュース / 2024年7月4日 14時23分

ここからは4.以外筆者の推定だが、Memory Side Cacheは大きく4つの働きを行っていると考えられる。

(1) P-CoreとE-CoreのCache Coherencyを取る

これはまぁPhoto02に出て来た内容そのものであるが、これを馬鹿正直に実施すると、P-CoreとE-Coreの間のトラフィックが馬鹿にならない。加えると、P-CoreとE-Coreでは後述するように別々の処理を割り当てる事が多い「筈」(これはThread Directorの采配次第)なので、実際にCoherencyを取る場面は少ないと考えられる。これを確実に行おうとしたら、「P-CoreのL3及びE-CoreのL2が、どのアドレスをキャッシュしているか」の一覧を持っておき、Cacheの変更があった場合はこの一覧を参照するのが便利である。いわゆるSnoop Filterである。最初にこれを搭載したのはIntel 5000Xチップセットであるが、この時は実装に問題があったのかSnoop Filterを有効化するとむしろ遅くなるとかいう騒ぎだったが、その後も普通に利用されており、Xeon Scalableでは標準でCHA(Cache and Home Agent)にSnoop Filterが実装されている。Memory Side Cacheの一部は、このSnoop Filterのために利用されているのではないかと思う。

(2) (真の意味での)Memory Cache

Lunar Lakeは、LPDDR5X-8533が搭載されており、一見DDR5-5600止まりのRaptor Lake/Raptor Lake Refreshなどより高速に思えるのだが、実は構成が32bit×2の64bit幅(Raptor Lakeなどは128bit幅)なので、メモリ帯域は68.3GB/secでしかなく、LPDDR5X-7467を利用できるMeteor Lake(119.5GB/sec)は元よりDDR5-5600利用時のRaptor Lake(89.6GB/sec)にも及ばない程度である。この帯域の低さを少しでも補うためには、より長時間Burst Accessを行うのが効果的であり、その際のRead Cacheとして利用できるほか、P-CoreとE-Coreが各々勝手にWriteを行うと書き込み効率が落ちるので、Write Back Cacheを用意して多少なりともまとめてWriteが出来れば効率改善に役立つ。そうした使い方は当然考えられる。

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