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「Lunar Lake」Deep Diveレポート - 【Part 2】Memory、GPU、NPUについて

マイナビニュース / 2024年7月4日 14時23分

個々のXe-Coreの構造だが、Meteor LakeというかXe-HPGと比較した場合

XVE(Vector Engine)の幅が256bit→512bitになり、その代わり16個→8個になった
2048bitのXMX(Matrix Engine)が復活した
64bitのAtomic命令が追加された

という形になる(Photo08)。Vector Engineの数はXe世代から半減したが、その分各々のVector Engineの性能が2倍になったので、トータルすると性能は変わらない格好だ。また個々のVector Engine、Xe世代では2つのVector Engineが1つのThread Controlから制御される形になった(Photo09)。ただ結果として、Thread Controlが512bit幅のSIMDエンジンを制御する、という部分は変化が無いことになる。一方XMXであるが、こちらはXe-HPGに搭載されているものと基本同じである(Photo10)。このXe2でXMXが復活した理由であるが、AI処理である。この後説明するNPUは勿論AI処理が可能であるが、Copilot+は兎も角として世の中のアプリケーションの中には、まだGPUのみを使ってAI処理を行うもの(例:Adobe Photoshop)が少なくない。AI PCを名乗る以上はこうしたものへの対処が必要であり、そのためにはXMXを実装しておく方が効果的と判断された様だ。実際IntelによればLunar LakeのGPUは67TOPSとされているが、その大半をXMXが担っているという訳だ(Photo11)。

話を戻すとそんな訳でAI性能そのものはともかく描画性能の方の理論性能はXe-LPGから基本的には変化がないのがLunar LakeのXe2であるが、性能/消費電力比は大幅に向上しているとされる(Photo12)。ただ実際には、Meteor Lakeほどに動作周波数を上げる(TDP 45WのCore Ultra 9 185Hで2.35GHz、TDP 15WのCore Ultra 7 165ULで2GHz)だと、消費電力的に厳しい可能性がある。Photo11の脚注でも書いたが、動作周波数はIntelのAI性能の数字から考えると1.6GHz程度に抑えられているものと考えるのが妥当だろう。理由の一つは、仮にGPU性能を引き上げてもメモリ帯域が追い付かない事だ。ここでもまた、Memoryが64bitである事の制約が付きまとう格好になる。Core Ultra 9 185Hなみに動作周波数を上げることは不可能ではないだろうし、その際にも消費電力は低く抑えられるではあろうが、性能そのものはメモリネックになって期待できないだろう。だったら、メモリ帯域とバランスする辺りまで動作周波数を落とした方が賢明、という判断が下されたものと考えられる。

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