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電通デジタルがウランバートルにAI開発の拠点設置 - なぜモンゴルに? 現地で話を聞いた

マイナビニュース / 2024年7月26日 10時0分

画像提供:マイナビニュース

●電通データアーティストモンゴルの強み
電通デジタルは、モンゴル・ウランバートルに人工知能(AI)開発の拠点を持っている。なぜモンゴルに、どんな経緯で設立されたのだろうか? その規模は? 関係者に詳しい話を聞くため、はるばる現地まで足を運んだ。

○■開発の進むモンゴルの首都

取材に訪れたのは7月上旬。チンギスハーン国際空港に降り立ち、タクシーで首都ウランバートルの市内に向かった。高速道路は見渡す限り草原のなか。地平線に連なる低い山々の麓に、ときどきゲルらしきものが見える。やはりモンゴル=遊牧民の国なのだ。

しかしウランバートルの中心地に入ると、景色は一変する。そこは高層ビルが立ち並ぶ繁華街で、大きな看板にはキリル文字が踊っている。やがて筆者が乗ったタクシーは、渋滞の渦の中へ。聞けば、交通のインフラ整備が追いついていない市内では、このように慢性的に道が混んでいるらしい。列に割り込んでくるクルマ、そして遠慮のないクラクションの鳴らし合いに圧倒される思いがする。ここでドライバーは機転を利かして裏道を選択。すると、白い煙を吐き出しながら稼働する火力発電所が間近に迫った。橋を渡ると、その下をシベリア鉄道が通過していく。溢れる異国情緒。

○■DDAMの歩みについて

ここで簡単に、関連企業の直近の動向をおさらいしておきたい。電通デジタル(以下、DD)は、グループ内でAI開発をリードしてきたデータアーティスト社を2023年4月1日付けで合併。これにともない、ウランバートルにオフィスを構えていた電通データアーティストモンゴル(以下、DDAM)はDDの100%子会社となった。今回は、そのDDAMのオフィスを取材している。

ウランバートルの観光名所のひとつ、スフバートル広場に面するビルディングの一角にオフィスを構えるDDAM社。はじめに、同社CEOのアグチバヤル・アマルサナーさんに会社の歩みについて聞いた。

モンゴルで生まれ育ったアマルさんは、高校生のときに同国のテレビで放送された「東京ラブストーリー」がきっかけで日本に興味を持った。日本に留学中は、東京大学の松尾豊研究室でデータマイニングを専攻する。ちなみに、アマルさんは国際数学オリンピックのメダリスト。彼にしてみれば、東大の数学の入試問題も「超簡単」だったそうだ。

同じ研究室の先輩に、山本覚氏(現在DD執行役員)がいた。山本氏は卒業後、いち早くデータアーティスト社を設立する。一方、大学を卒業したアマルさんは松尾研究室のエンジニアとして大学に残るが、数年後にデータアーティスト社にジョインした。以降、アマルさんの人望もあり、同社には実装力の高いモンゴル人が多数在籍するようになる。

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