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建設DXはどのように進化していくのか

マイナビニュース / 2024年9月26日 10時0分

それほどの強い危機感を抱かざるを得なかったということですね。

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●建設産業が抱える課題
野原: 建設RXコンソーシアムの設立は、建設産業に山積する課題を解決するための取り組みのひとつであると感じます。数ある課題の中で、村上会長が今一番優先して解決すべきと考える建設産業の課題とは何でしょうか?

村上: 日本の人口が減少傾向にある以上、人が減るのは仕方ないことです。しかし、他の産業よりも建設産業の就業者の減少が激しいことは問題だと思います。

建設産業は長く3K(キツイ・キタナイ・キケン)や5K(3K+臭い・暗い)の職場だと言われてきました。われわれもそのイメージを払拭する努力を怠ってきた。建設の楽しみや喜びを社会に訴えることができていなかったのです。

その結果、建設産業を志望する若い方が減り、急激な就労人口の減少が起きていると考えています。

野原: そうした状況に、今は対策を打てているのでしょうか。

村上: 最近ようやく、ですね。各社が積極的に楽しさを訴えるようなCMを流すようになりました。

以前は「こういう空港を作った」とか、「どこそこの超高層ビルを建てている素晴らしい会社です」といったアピールをしていましたが、若い人から見れば自分たちとは関係がない世界の話だったと思います。建設産業の楽しみや喜びを伝えるCMが多くなっているのだと思います。

野原: 村上会長がおっしゃる建設産業の楽しみや喜びとは、どの辺りにあるとお考えでしょうか?

村上: 先ほど「建築物は一品生産品である」とお話ししましたが、まさにそこに建設の楽しみがあると思っています。

多くの関係者と力を合わせて作り上げた建物は、世の中にひとつしかないんです。その作り上げた住まいや商業施設などの建物は、利用する方々の生活を支えていきます。そうした誰かの人生の一部になるものを作り上げられる喜びは、なかなか他では味わえないのではないかと思いますね。

一つの建築には本当にいろいろな人たちが関わって作り上げられます。一人で何かを成し遂げるのではなく、チームで一丸となる。完成したときには自然とみんなからガッツポーズが出ますよ。

ところが、建設産業はこうした楽しさや喜びを自分たちだけで抱え込んでしまい、社会に伝えてこなかったのではないでしょうか。その結果が今の人手不足につながってきたのでしょう。それに気づき、最近は大手ゼネコンが先導して、建設産業で働く楽しみや喜びをアピールするようになりました。

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