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建設DXはどのように進化していくのか

マイナビニュース / 2024年9月26日 10時0分

野原: なるほど。ところで、10年、15年ほど前からでしょうか。若い人たちが所長になりたがらないといった話を聞く機会が増えたような気がします。

村上: 結局、デジタル化して効率化すれば、今まで通りの仕事をするならば、時間は減ります。ところが、デジタル化でいろんなことができるようになると、逆に仕事が増えるケースもあります。仕事がデスクワークに偏りがちになるのがその典型です。取り扱えるデータ量が増大したことで、作る資料の種類が膨大に増えてしまう。

また、かつては自分の担当する現場は直接見に行くものでしたが、今はデジタルでオフィスの中から全ての現場を見ることができてしまう。テレビ画面から目が離せず、現場へ行くこともできない。

デジタルによって、どんどん便利になり、遠隔でいろんなことができるようになりました。検査とか、品質向上とか、安全性の向上とか素晴らしいことがたくさんあります。デジタル技術がもう一歩進んで、AIが現場の管理までできるようになればいいんでしょうが、今は、人間がやるしかない。一般職の業務がものすごく便利になったのとは逆に、管理職の仕事はどんどんきつくなる。結果、若い人は管理職になりたくないと考えるわけです。

野原: 新しい働き方や新しい環境への転換などの過渡期なんでしょうね。

村上: 教育についても新しい働き方によって、変わってきています。私が若いころは、いわゆる技師長など偉い人が現場を巡回し、悪いところをどんどん指摘されたものです。その後は大体飲みに行き、若手は偉い人の周りに座り、酒を飲みながら武勇伝を聞かされたものです。そうした中で想いを教えられました。

今は、コロナ禍の影響もあり、巡回もリモートが増えました。そもそも飲み会がありません。想いはどうやって伝えるのでしょうか。建設RXコンソーシアムに「想い検討分科会」を作らねば(笑)。

野原: 発注者との関係性についてお伺いしたいと思います。建設産業側もデジタルの使い方を考える必要があるのは大前提ですが、デジタル化に重要課題として取り組まれるお客様も多くいらっしゃるかと思います。建設産業の立場から見て、発注者側のデジタル化に対する反応をどのように感じていらっしゃいますか?

村上: ご発注いただいた建物を使って実現したい目標がはっきりしているお客様は、総じて現場のデジタル化を受け入れてくださっていますね。

そうしたお客様には、理想に向けた話し合いにも応じていただけています。われわれが提案するコスト削減のための標準化も、お客様の側でしっかり検討していただいた上で受け入れていただくケースが多いです。

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