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建設DXはどのように進化していくのか

マイナビニュース / 2024年9月26日 10時0分

野原: 建設産業は長らく一品生産を前提とした建設が求められ続けてきましたので、発注者側に対する訴求もできていなかったのではないでしょうか。

これからはデジタルツインやBIM/CIMといった形でデータを活用した建設が進むようになり、PC上で建設に関するデータの全てが見えるようになると、発注者に対するアピールもしやすくなるはずです。

村上: 属性を付与されたデータを使った設計は、実はもう20~30年前から始まっていたんですよ。

2DのCADデータに一生懸命データを入れるような取り組みは当時の大手ゼネコンもそれぞれチャレンジしていましたが、当時はうまくいかなかったんです。今はテクノロジーが進化しデータの質も向上しましたので、当時とは状況が異なります。今度は失敗しないと思いますよ。

●建設DXを急速に促進するための切り札
野原: 多くの方が「2020年代のデジタル化は失敗しない」と口を揃えています。今度こそ成功するという確信につながる自信の理由はどこにあると思われますか?

村上: なんといってもスマートフォンの存在が大きいと思います。今や業務上の連絡や情報共有は、ほとんどスマートフォンでできるようになりました。作業所の中にステーションを設ければ、設計者が遠隔地で手直しした図面を現場の職長がリアルタイムで確認できます。かつては全員が一堂に会して行われていた朝礼も、今やフロア単位でできるようになりました。

そうしたデジタルの活用を広められたのは、今ではスマートフォンを使うことに誰も抵抗がないのが一番大きいですね。かつては協力会社の方に「属性を持たせたいのでCADデータを提供して」といっても対応してもらえないことがありましたが、今ではすぐにスマートフォンへ送ってくれます。

野原: 私も大変便利な世の中になったと痛感しています。一方で、デジタルツインを使うにしても、図面をデータ化することが重要なのではなく、その先の使い方を考えていく必要があるのではないかと感じています。

村上: まさにその通りですね。建設産業の方は皆さん真面目なので、BIMのデータを作れと言われたら実現のために必死になるんですよ。しかしBIMのデータを作れば何かが変わるわけではなく、それをどう使って何を実現するかが大切です。

いま現在、建設RXコンソーシアム内にあるBIMの分科会では、デジタルデータの使い方の検討を進めています。使い方がわからないからデジタルツインやBIMを入れる気にならないという方もまだまだ多いので、まずはわれわれが使い方を考えようと。

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